特別養護老人ホームで働く看護師の仕事内容は?給料や働き方を解説します

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看護師(ナース)と聞くと、病院など医療施設で働くイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。

しかし、看護師は介護施設で働くケースも多くあります。

本記事では、これから介護施設のひとつ、特別養護老人ホーム(特養)の看護師として働くことを検討している人へ向けて、仕事内容や給与、働き方など、詳細を解説していきます。

特養の看護師が携わる仕事内容は、他の施設形態の看護師の仕事とどう違うのでしょうか。

特養での仕事を検討している人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

特別養護老人ホームとは?


特別養護老人ホーム(特養)は、さまざまな介護施設がある中で、要介護3以上の高齢者が介護保険を利用して入所できる施設です。社会福祉法人が運営している福祉施設で、介護老人福祉施設とも呼ばれます。

 

老人福祉法によると、特養は以下のように定義されています。

65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものを入所させ、養護することを目的とする施設とする。

※参考:老人福祉法 第20条の5

 

また、特養には従来型といわれる4人で1部屋といった多床室がメインの作りになっているタイプと、全室個室になっているユニット単位で介護を行うユニット型に分けられます。

 

寝たきりや認知症の人など、自宅では日常生活が送れない人の生活の場となるようなサービス・機能が豊富に用意されています。

そのため、排泄・入浴などの日常生活の介護や健康管理などのサービスを行い、自宅での介護が難しい・医療的な判断や処置が必要といった方の支援をします。

 

特養では介護職員だけではなく、看護師の配置も義務付けられています。

人員配置の基準として、入居者が30人以下の施設では1人以上、31〜50人の施設では2人以上が常勤換算で必要とされています。

特養の看護師は24時間の配置は必要ないので、基本的に夜勤がありません。その代わり、緊急時の対応としてオンコール体制を取っている施設が多くあります。

特養で働く看護師とは?


特別養護老人ホーム(特養)で働く看護師と他の施設で働く看護師の違いはどこにあるのでしょうか。

他施設の看護師との違いを解説します。

 

・病院の看護師との違い

・老健の看護師との違い

・特養で働く看護師の役割

 

病院の看護師との違い

特養と病院の大きな違いは、利用者にとって生活の場であるか、という点です。

では急性期医療を必要とするケースも多い病院に比べて、特養の看護師は落ち着いて利用者へ向き合うことが多くなります。

自分の看護を通じて利用者が変化していく様子を、長い期間近い距離で見られる点は、特養ならではの特徴の一つです。逆に、急性期病棟で行われるような処置や症状は少ないといえるでしょう。

老健の看護師との違い

介護施設には特養とは別に介護老人保健施設(老健)もあります。

特養と老健の看護師にはどのような違いがあるのでしょうか。

老健と特養の最大の違いは看取りの有無です。リハビリを頑張って、一定期間内で生活復帰を目指す老健と異なり、利用者の自立が難しいとされる特養では、入所期間は決まっていません。したがって、特養で看護師として働く場合、看取りの機会は多くなります。

特養で働く看護師の役割

病院や老健との違いを見るとわかる通り、特養で働く看護師の大きな役割は、健康管理の他に看取りがあります。

看取りの多さや有無は最大の特徴と言っても良いでしょう。

基本的な医療行為の他に、看取りに立ち会うことも多くなるため、基本的な心構えも求められます。

配置基準は1名以上となっており、病院などと比べて極端に人が少なく感じるでしょう。医療処置を行うときは自分で行うことが多いことは念頭に置いておく必要があります。

特養の看護師が携わる仕事内容


特養の看護師の業務には、どのようなものがあるでしょうか。

食事や排泄介助、清拭などは基本的に介護士が担当者となり行います。

具体的に、受け持つ主な仕事内容を一覧で紹介します。

 

・健康管理

・医師の指示に基づく医療行為

・服薬の準備

・診療時の介助

・特養の入退所時サポート

・看取りとターミナルケア

・オンコール対応

健康管理

特養で働く看護師の仕事は健康管理が中心です。

通常の病院と同じく、入居者の健康状態を逐一確認します。具体的には、体調確認や、バイタルチェック、服薬、点眼などが挙げられます。

また、寝たきりになると、当然体を動かしての活動やレクリエーションも少なくなるため、褥瘡になる可能性も高まります。

除圧や摩擦予防はもちろん、血流の促進や栄養管理まで考えるポイントは多岐にわたります。時には栄養士の方と話し合い、栄養や水分をしっかりと取るための対策をたてることもあるでしょう。

関連して、経過観察が必要な箇所についてはケアを徹底することが中でも大切な要素です。

医師の指示に基づく医療行為

入所者の健康管理や療養上の医師の指示に基づいて、胃ろうや喀痰吸引、点滴、採血などを行います。医療行為は介護職員には対応できないため、看護師が対応しなければいけません。

医療行為は一般の病院と共通する部分も多いですが、利用者が怪我をした時の応急処置や医師への報告など、特養ならではの医療行為も多くあります。

服薬の準備

食前食後の服薬の準備や、服薬状況の確認を行います。常備薬の服薬の記録も大切です。

本来は服薬する本人が薬を飲む目的や正しい飲み方を理解していなければいけませんが、特養の場合は心身ともに衰弱している人が多いため、看護師による服薬管理が欠かせません。

診療時の介助

医師の診療に関わる補助を行います。具体的には、心拍測定時の器具の準備や体勢変更に関わる介助業務です。

広義の意味では、利用者の体調に明らかな異変がみられた場合に、外来受診等の付き添い

やその時期を決めて家族へ連絡する役割も含まれます。

医療に関する広いサポートは特養で働く看護師の大事な役割です。

特養の入退所時サポート

入退所時の事務作業や利用者の介助もおこないます。現場で働く介助スタッフへの引き継ぎも大事な仕事です。引き継ぎの際は、常備薬などの受け取りもおこないます。

看取りとターミナルケア

亡くなる間際に立ち会うケア業務です。

特養は施設内で亡くなることを想定して作られた施設です。したがって、治療ではなく身体的・精神的苦痛を和らげるための緩和ケアも処置されます。

特養で働く看護師の大きな役割として、この看取りがあります。

看取りに立ち会うことも多くなるため、基本的な心構えも求められます。

主な看取りのケアは、利用者を清潔に保つ「身体的ケア」利用者の心に寄り添う「精神的ケア」利用者の家族に対する不安を取り除く「家族へのケア」の3つです。

オンコール対応

特養の看護師には夜勤はほとんどありませんが、オンコール対応があります。

オンコール対応では何か起きたときに、現場の介護スタッフに指示や指導をおこないます。状況次第では現場へ向かう対応も必要になります。

介護職では判断できない事象を、医師に代わって看護師ができる範囲で判断します。

特養で働く看護師の給与相場


気になる施設ごとの看護師の給与と、そのほかの職種の給与を一覧表にまとめました。基本賃金は各種手当や賞与、福利厚生費等を含む参考金額として算出しています。

特養の看護師は夜間の勤務が基本的にないため、やや給与が低くなっています。

可能性があります。それでも介護スタッフよりは給料が高いため、仕事に対する責任には大きなものがありやりがいにつながると感じる方もいます。

 

特別養護老人ホーム

介護老人保健施設

有料老人ホーム[9] 

デイサービス[10] 

看護師

455,491円

469,573円

438,206円

375,327円

准看護師

419,447円

409,282円

406,494円

351,740円

介護福祉士

420,009円

405,016円

395,155円

339,176円

介護職員

399,282円

375,081円

364,767円

313,560円

参考:令和5年度介護事業経営実態調査結果|厚生労働省

各月給与の差を見ると、多いところで5-6万円ほど介護スタッフとの開きがあります。年収で60-70万円くらい高収入になっていると考えられます。

特養で働く看護師の働き方


特養で働く看護師の1日の例を時系列で紹介します。

 

09:00 出勤した後、入居者の健康状態を把握する

10:00 利用者の様子をみながら、必要に応じて医療的な処置を施す

12:00 服薬準備と昼食の食事介助、服薬状況をチェック。終わり次第、休憩。

14:00 口腔ケアと異常がないか巡回確認

15:00 看護記録の入力と必要に応じて両者への医療的な処置を行う

17:00 介護スタッフへの申し送り

18:00 退勤

オンコールがない場合は、18:00の退勤にて1日の仕事は終了です。オンコールありの勤務体系では、自宅待機もあります。オンコールの発生件数は施設によって異なりますが、平均10件程度です。

そのうち、電話対応で済む内容もあれば、現地へ向かう内容もあります。実際には電話対応で済むケースが多いです。

また、オンコール発生時は手当が出ることはポイントです。オンコール対応時の手当相場は1,000円〜2,000円程度です。

特養で働く魅力とは?看護師のメリット3つ


看護師が特養で働くメリットを3つまとめました。

特養への転職を考えている看護師はぜひ参考にしてください。

・夜勤がない

・アセスメント能力を高められる

・コミュニケーション能力が伸ばせる

夜勤がない

特別養護老人ホームにおける看護師の働き方は、日勤がメインとなる施設がほとんどで、残業も少なめです。

夜勤のある勤務シフト制が合わず、身体的につらいという方にとっては働きやすい環境であると言えるでしょう。

ただし、夜勤の代わりにオンコールがあるので、担当する頻度やどの程度の負担になるか等の情報を確認しておく必要があります。求人によっては、夜勤なしオンコールなしといったものがあるので、条件面で細かく見ていくことが大切です。

また、子育てと両立できるような働き方をしたいという方も、朝早くに家の保育園に子供を預けてから出勤することで無理なく老人ホームで働くスタイルで長く続けられるという点もあります。

アセスメント能力

特養で働く看護師はアセスメント能力を鍛えられるというメリットがあります。

要介護度の高い入居者は自分の状態や希望をうまく伝えられないことが多いです。

そのため、わずかな変化を見抜いてケアを行っていくことが重要になります。

コミュニケーション能力が伸ばせる

生活の場である特養では病院やよりも長期的な関係を築き、支える看護になります。

また、ご家族や介護スタッフとも話し合いを重ね、連携して看取り計画などケアプラン作成にかかわるなど、コミュニケーション能力を活かす大切な場面があります。

会社によって、介護に対する姿勢や考え方も変わってくるでしょう。

特養で働くデメリットもチェック


特養で働く看護師のデメリットについても、3つにまとめました。

・オンコール対応がある

・心理的な負担が大きい

・処置の能力が鈍る可能性もある

オンコール対応がある

先にも述べましたが、特養ではオンコールを導入している施設がほとんどです。

オンコール対応では多くの場合は電話での対応となり、施設に呼び出されるといったことはあまりありません。

ただ、慣れないうちはいつ呼び出しがあるかわからないオンコール対応に対してストレスを感じてしまうかもしれません。65歳以上の求人は基本的にみられませんが、年齢が上がるにつれ身体的な負担も感じやすいといえるでしょう。

心理的な負担が大きい

特養では病院などと比較して配置されている看護師の人数が少ないです。

あまり他の看護師に相談したり協力を求めたりしづらい職場のため、プレッシャーや不安を感じてしまう可能性があります。

処置の能力が鈍る可能性もある

特養の入居者は要介護度3以上となっていますので、要介護度は高いのですが、高度な医療処置が必要な場面はあまりありません。

そのため、処置のスキルが低下してしまうというデメリットがあります。自分から受けてみたい研修などを調べておき、施設長に受講打診をしてみる姿勢も大切です。

未経験からでもできる?特養で働くには


特養で働く看護師の主な業務は医療行為で、介護業務がメインではありません。したがって、介護に関する知識や資格、経験がない方や看護師でも働きやすい環境です。

以前の病院勤務で高齢者の看護をしていた経験がある人や、高齢者と接する機会が多かった人は、介護が未経験でも特養の仕事にすんなりと入っていける可能性が高いです。

病院よりも長期的な関係を築きながら仕事ができるという点で言うと、特養での求人で採用されることが新しいキャリアにつながります。

 

また、履歴書や職務経歴書でも今までどのような仕事をしてきたのか、資格取得や働く意欲に絡めてアピール書き方をすると良いでしょう。

もし介護職員初任者研修や介護福祉士などの資格を取得しておけば、ご利用者様の身体介助を行えますので、現場でも重宝される人材になるでしょう。

 

そして、護のスキルも大切ですが、それ以上に求められるものは高齢者への理解と対応です。

高齢者は、加齢に伴い判断力や理解力、記憶力が鈍ります。また、思い込みやこだわり、好き嫌いも強くなる一方です。

身体が思う通りに動かないことへの苛立ちや恥ずかしさ、時には寂しさが募り、感情をぶつけられたり、傷つくことを言われることもあります。

自分の心をうまくコントロールできなければ、特養で働き続けるのは難しいでしょう。

まとめ


特養の看護師の仕事には、基本的な医療行為の他に高齢者へのケアも含まれます。特養では利用者の回復、自立を目的としていないため、看取りの機会が多いことは十分認識しておきましょう。

長く勤めるには、高齢者への理解や看取りへの取り組みも必要です。

夜勤対応はありませんが、イレギュラー時に対応するオンコールがあります。

特養の看護師は、医療行為を中心とした看護師のスキルよりも、高齢者と上手に接するコミュニケーションスキルの方が求められます。

求人は施設の数だけたくさんありますので、入職の前に特養の看護師が自分に向いているのか、よく考えてみましょう。

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