更新日:2024/05/17

介護職に求められる言葉遣いとは?基本のチェックリストと接遇マナーを合わせて解説

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介護福祉士の資格を取得するときの勉強では、「利用者様に敬意を払い、敬語を使って接すること」と学んだにも関わらず、先輩介護職はタメ口を使っている。

利用者様に敬語とタメ口、どちらを使えば良いのかと迷う新人介護職は少なくありません。

本記事では、介護職に求められる言葉遣いとそのチェックリストとポイントをご紹介します。

利用者には敬語は使うべき?

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介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、介護福祉士などの資格を取得する際に必ず学ぶことには、「利用者様への敬意を払うこと」です。

人生の大先輩である利用者様に敬意を払い、原則で敬語で接することが基本とされています。

しかし、実際の介護現場では、利用者様に対して家族のような親しみや距離感になり、タメ口を使っているケースが多いです。

利用者様には、敬語とタメ口、どちらを使って接すれば良いのでしょうか?ここからは、利用者様に接する際の言葉遣いについて解説していきます。

基本は敬語を使うべき

介護現場で利用者様とコミュニケーションを図る際の言葉遣いは、基本的に「敬語」とされています。

もし20代の介護職が80代の利用者様と接する場合、利用者様は介護職の約4倍もの人生を歩んできたということになります。

自分にとって人生の大先輩であり、介護施設・介護事業所を利用してくださっていることを考えると、介護職は利用者様に敬語を使うべきだと言えるでしょう


また、介護業界は接客業・サービス業の1種であると言われています。思いやりやおもてなしの意味を込めて、敬語で丁寧に接することが欠かせません。

しかし、「敬語だとかしこまった感じがして、居心地が悪い」「敬語だと他人行儀な感じがして、苦手」という利用者様もおられます。

そのため、利用者様がご希望されるようであれば、敬語とタメ口を適度に混ぜた言葉遣いをすることが適切なサービス・ケアであると言えるでしょう。

普通語を使うことも

小規模多機能型居宅介護事業所や小規模デイサービスなど、数名の利用者と介護職で「家庭的な雰囲気の中」介護をしている小規模事業所があります。

また、利用者様にご自宅のように過ごしてもらうために、「制服なし」「私服勤務」という決まりがあるグループホームも存在します。


これらの介護施設・介護事業所では、利用者様と介護職が一定の親しさを持ち、安心した気持ちで介護サービスを受けてもらえるよう、普段語を使っている場合が多いです

しかし、利用者様のご家族の方には敬語で接し、利用者様の気持や尊厳を傷つけるような発言をしてはいけないというルールを守る必要があります。 

介護職での敬語の使い方

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新人介護職や部署異動してきたばかりの介護職は、まだ利用者様との信頼関係が築けていません。

そのような段階でいきなりタメ口を使うと、利用者様に不信感を持たせてしまいます。

介護現場で敬語を使う際には、具体的にどのような言葉遣いを心がけるべきでしょうか。

ここからは、介護現場での敬語の使い方を3つご紹介します。

尊敬語

尊敬語とは、「相手や目上の人に対して、敬意を示すため」の言葉遣いです。

尊敬語の一例は、以下の通りです。

 「〇〇さん、お食事を召し上がりませんか?」

「〇〇さん、娘さんがお越しになられていますよ」

「〇〇さん、先生がこの薬を寝る前に飲むようにとおっしゃっていましたよ」

 
尊敬語は相手や目上の人への敬意を示すために使用します。

そのため、自分自身のことを伝える際には、次に紹介する謙譲語を使用します。 

謙譲語

謙譲語とは、「自分自身のことをへりくだって伝え、間接的に相手のことを高めるため」の言葉遣いです。

謙譲語の一例は、以下の通りです。

 「私も先ほど、お昼ご飯をいただきましたよ」

「お荷物、お持ちしましょうか?」

「私が〇〇さんの居室に伺います」

 
謙譲語は「自分自身のことをへりくだって伝える」と同時に、「相手のことを高める」という意味合いがある敬語です。

そのため、介護現場で日常的な会話に使用するには、少し堅苦しい印象が感じられます。

会議やご家族の方の面会時など、かしこまった場面で活用するのがオススメです。 

丁寧語

丁寧語とは、「品位を高めた言葉遣いをし、相手への敬意を払うため」の言葉遣いです。

丁寧語には、さらに「丁寧語」と「美化語」の2種類に分かれています。丁寧語と美化語のそれぞれの違いは以下の通りです。

 
・丁寧語:文末に「です」「ます」を添えた丁寧な表現をする敬語

・美化語:「ご利用者様」「お食事」など、単語の前に「ご」や「お」を添えて、 上品に美しい表現をする敬語

 
なお、丁寧語の一例は以下の通りです。

 ・「お食事は食べましたか?」

・「ご気分や体調は良くなりまたか?」

 
丁寧語は、敬語の中で最も使われやすい言葉遣いです。丁寧かつ柔らかい表現で相手に言葉を伝えられるため、利用者様に敬語を使う介護の現場では特に使用されています。 

介護職の言葉遣いについてのチェックリスト

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いくら介護現場で丁寧な言葉遣いを心がけていても、今自分自身が使っている言葉遣いが正解なのかと悩む時があります。

また、認知症の利用者様に介護拒否や暴力行為を受けたり、利用者様の容態が急変したりした時は、言葉遣いにまで気が回りません。


どのような場面や状況でも、一貫して適切な言葉遣いやNGワードを守れるよう、チェックリストを作って、何度も見返すことがオススメです。

ここからは、介護職の言葉遣いについてのチェックリストについて一覧でご紹介します。

基本の言葉遣いをチェックリストで紹介

介護職が普段の介護業務で利用者様と接する際に注意するべき、基本的な言葉遣いのチェックリストです。

以下の内容が守れているか、今一度ご自身の仕事の様子を振り返ってみてください。

●   正しい敬語を使うことができているか

(誤った言葉遣いを敬語だと思い込んでいないか)

●   利用者様の意向や同意を確認せず、タメ口を使っていないか

●   利用者様の名前を「あだ名」や「呼び捨て」で呼んでいないか

●   「幼児言葉」または「命令口調」で利用者様に話しかけていないか

●   敬語を意識しすぎて「他人行儀」「冷たい態度」になっていないか

●   「~してあげますよ」と、上から目線で介護業務を進めていないか

●   利用者様が理解できない「若者言葉」や「介護の専門知識や専門用語」を使っていないか

 

挨拶についてのチェックリスト

介護職が利用者様やご家族の方と信頼関係を築くためには、挨拶が非常に大切です。

暗い印象や疲れた雰囲気で挨拶をすると、「本当にこの施設にはお世話になって大丈夫なのかな」と不安に思われてしまいます。

ここからは、介護職が利用者様やご家族の方と挨拶をする際のチェックリストをご紹介します。

休憩時間や空き時間などに、こまめに確認することが大切です。

 

●   利用者様やご家族の方に対して、元気に挨拶できているか

●   はっきりとした声や笑顔で利用者様やご家族の方と接しているか

●   利用者様と目線の高さを合わせて話しているか

●   相手の話に適度な相槌を打ち、傾聴・受容・共感の姿勢を見せているか

 

利用者様に対する言葉のチェックリスト

日本の少子高齢化の影響により、多くの介護施設では、深刻かつ慢性的な人手不足問題を抱えています。

そのため、介護職1人あたりの業務量が非常に多く、心に余裕がない状態でバタバタと仕事をしている介護職は少なくありません

そんな状況で利用者様に声をかけられると、ついつい「後にして!」と利用者様への対応を後回しにしてしまいやすくなります。

本来であれば、心に余裕を持った状態でサポートに臨むことが必要ですので、利用者様に使ってはいけない言葉のチェックリストを参考に、自分の言葉遣いをチェックしてみましょう。

 

●   「〇〇さんが言っていることはおかしいですよ」「間違ってますよ」など、

利用者様に対して否定的な言葉をかけていないか

●   「息子さんに言いつけますよ!」と、脅すような言葉をかけていないか

●   「時間がないので早くしてください」と、介護職の都合で利用者様を

急かしていないか

●   「何度言っても分からないんですね」と、認知症による記憶力の低下について

非難するような言葉をかけていないか

●   「危ないので座っていてください」と、利用者様の行動を制限させるような

言葉をかけていないか 

 

ご家族様に対する言葉のチェックリスト

介護業務に追われている忙しい時間帯に、利用者様のご家族の方が面会に来られることは介護現場でよくあることです。

しかし、忙しさのあまり、ぶっきらぼうな返答になってしまう介護職もいます。

ここからは、ご家族の方に使ってはいけない言葉のチェックリストをご紹介します。

 

●   ご家族の方が来訪された時、「ちょっと待ってくださいね」と

いい加減な言い方で待たせたり、対応を後回しにしたりしていないか

●   ご家族の方から利用者様の体調について問い合わせで相談された時に、

「いつもと変わりないですよ」と適当な返事をしていないか

●   ご家族の方から利用者様の外傷(内出血や腫れなど)について尋ねられた時に、

「いつどうしてできた内出血か分からないです」「ベッド柵にでも

ぶつけたんじゃないですか?」など、いい加減な返事をしていないか

 

同僚に対する言葉のチェックリスト

利用者様やご家族の方への丁寧な対応に気を取られてしまい、同僚にタメ口や雑な口調で接している介護職も少なくありません。

しかし、職場での人間関係を円滑に保つためには、同僚への言葉遣いや接し方にも気を配る必要があります。

ここからは、同僚に使っては行けない言葉のチェックリストをご紹介します。

 

●   「〇〇さんに言ってもどうせ分からないでしょ?」と、新人介護職や

後輩を見下したような言葉遣いをしていないか

●   「こんなことも分からないの?これまで専門学校で何を学んできたわけ?」と、

新人介護職を追い詰めたり、出身校を持ち出したりするような注意・指摘の

仕方をしていないか

●   「早く片付けといて」と、自分自身がする仕事を命令口調で新人介護職や後輩に

押し付けていないか

 

言葉遣い以外に気をつけること

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介護職が仕事をするうえで気をつけなければいけないことは、言葉遣いだけではありません。

接遇マナーを大切にしたり、利用者様に敬意を払ったりと、言葉だけではない勤務態度にも気を配る必要があります。

ここからは、介護職が言葉遣い以外に気をつけるべきことを2つご紹介します。

接遇やマナーを大切にする

介護現場では言葉使いだけでなく、接遇マナーも重要です。

利用者様やご家族の方との信頼関係を築くために大切な「接遇マナー」は以下の5つです

 
・挨拶

・言葉遣い

・表情

・傾聴(相手の話に耳を傾けること)

・身だしなみ

 
言葉遣いや挨拶、表情や傾聴についてはチェックリストでもご紹介しました。

しかし、「身だしなみ」に関してはつい忘れてしまったり、後回しになったりしてしまいがちです。

それは、介護事業所では、入浴介助や清拭介助、排泄介助など、汗をかく仕事が多いことで、身だしなみに無頓着になってしまうからです。


また、仮眠の時についた寝ぐせを直すこともなく、そのまま朝の業務に移っている介護職の姿も多く見かけます。

身だしなみが整っていないと、利用者様やご家族の方に不快感を与えたり、「いい加減な職員が多い施設」と思わることにつながります。

そのため、汗をかいたらこまめに着替えるなどし、清潔な状態を保つことが大切です。

特に、以下の点に配慮して身だしなみを整えることをオススメします。

 ・着ている服に汚れがなく、清潔感があるか

・来ている服のサイズが自分自身の体型に合っているか

・下着が見えたり、透けたりしていないか

・洗濯のし忘れや汗による、不快な臭いがしないか

 
介護職が清潔感のある身だしなみを意識することで、利用者様やご家族の方が不快な思いをすることなく、安心して介護サービスを受けてもらえます。

また、体型に合っていない服装や動きにくい服装は、介護業務を行ううえで大変危険です。

動きにくいサイズや素材の服装で介護をすると、やぶける可能性があるため、それを気にするあまり、利用者様を転倒・転落させてしまうでしょう。

安全に介護業務を行うためにも、言葉遣いだけでなく、身だしなみを整えることが大切です。

利用者に対して敬意を持つこと

ただ単に丁寧な言葉遣いで利用者様と接するだけでは、機械的な対応として捉えられ、「心がない」と思われてしまいます。

必ず介護業務の根底として、「利用者様への敬意を持つこと」「利用者様の尊厳を保つこと」を意識することが重要です。


利用者様は、介護職の祖父母や両親などの身内ではありません。

そのため、利用者様のことを「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ぶのはもっての外。必ず「〇〇さん」と苗字に「さん」もしくは「様」をつけて呼ぶことが大切です。

心のこもった質の高い介護サービスを提供するためには、介護職一人ひとりが利用者様に敬意・尊厳を保った対応を行う必要があります。

まとめ

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介護現場では、利用者様に自宅にいるような安心を感じてもらうためや、利用者様との心の距離を近づけるために、タメ口で話している介護職が多くいます。


しかし、当たり前のことではありますが、介護職と利用者様は家族ではありません。サービス提供者と、サービスを受ける側という、それぞれの立場があります。

言葉遣いや接遇マナー、身だしなみなどをぜひ意識し、利用者様やご家族の方の信頼を得ることを目標にすることが大切です。

この記事の著者

派遣のキャリアマルシェ_編集部

介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。

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