介護
投稿日:2024/03/13
更新日:2024/03/19
50代看護師の新たな舞台は有料老人ホーム!夜勤少なめ、給料安定の魅力的な仕事内容を紹介
目次
50代看護師の中には、看護師としての豊富な経験を持ちながら、身体的な限界や夜勤のストレスを感じている方も少なくありません。
有料老人ホームでの勤務は、これまでのキャリアを活かしつつ、新たなやりがいを見つける機会を提供します。
この記事では、有料老人ホームでの看護師の業務内容、日々のスケジュール、給与などについて詳しく掘り下げて紹介します。働く上でのメリットとデメリットもリアルにお伝えしますので、有料老人ホームへの転職を検討している看護師の方、介護業界での仕事に興味のある看護師の方は参考にしてください。
有料老人ホームとは?
有料老人ホームは、医療サービスと生活サポートの機能を組み合わせた介護施設のことを言い、24時間体制の老人ホームだと現在、約2000件の施設があります。
厚生労働省によると、食事の提供、介護(入浴・排泄など)の提供、洗濯・掃除等の家事の供与、健康管理のうち、いずれかのサービス(複数も可)を提供している施設とされています。(原則、訪問看護は利用できません。)
よく混同しがちな特別養護老人ホームとの最大の違いは、入居者の介護度です。特別養護老人ホームの入居条件が原則要介護3以上であるのに対し、有料老人ホームは自立~要介護5まで幅広く、施設によってはご利用者様全員が自立している場合もあります。
有料老人ホームは提供するサービス内容や介護の度合いによって、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームに分かれています。
それぞれの施設の特徴は以下の通りです。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームはその名の通り、介護等のサービスが受けられる施設です。
入居者の介護度は自立~要介護度5まで施設の方針によって幅広く、自立していた高齢者が介護等を必要としたときはホームが提供する介護サービスを利用しながら生活を継続することができます。
24時間介護スタッフが常駐し、介護サービスだけでなく、食事の提供や生活相談、レクリエーションなどのサービスを提供しています。
看護師は入居者の健康管理や医師の指導に基づいた医療行為などを行います。
施設には入居者の人数によって看護師の常勤人数が決められていますが、看護師の夜間の常駐は義務付けられていません。
この介護付き有料老人ホームでは、看護師の配置が義務付けられているため、求人が多いのが特徴です。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは生活支援等のサービスがついた施設です。
比較的、介護度が低い高齢者を対象としており、生活支援や緊急時対応を行っています。
住宅型では介護サービスに対応していないので、介護が必要となった場合は個別に地域の介護サービスを受ける必要があります。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは食事などの生活支援のサービスを行う施設です。
自立した人が入居でき、入居者が要支援、要介護状態になり、介護サービスが必要になった場合は退去する必要があります。
住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームでは、施設内における看護師の配置は義務ではないため職員の数が少なくなるのですが、サービス向上のため看護師を置く施設が増えていて、求人も急増しています。
有料老人ホームで働く看護師の仕事内容とは?
有料老人ホームでの看護師の役割は多岐にわたり、入居する高齢者の健康維持と生活の質の向上に不可欠な専門職となっています。
施設によっては要介護度の高い入居者もいるため、医療対応が必要になる場合があります。
有料老人ホームで働く看護師の主な仕事内容は以下の通りです。
・健康管理
・医療機関(病院・クリニックなど)との連携
・日常生活の支援
健康管理
有料老人ホームでの看護師の最も重要な役割の一つは、入居する高齢者の健康管理です。
バイタルチェックなど日々の健康状態を観察するほか、応急処置に対応し、必要に応じて医師へ引き継ぎます。
1.医療行為
有料老人ホームの看護師は、床ずれのケア、痰の吸引、尿道カテーテルの挿入、胃ろうの管理、点滴、採血など、必要に応じて適切な医療行為を施し、記録します。
さらに、医師から処方された薬の管理や正確な投薬を行うのも仕事です。
有料老人ホームには原則、医師が常駐していないため、急病や怪我などで応急処置が必要な場合、看護師は医療行為ができる責任者として迅速に対応し、病院やクリニックなどの医療機関への搬送を手配します。
2.日常的なケア
介護が必要な高齢者の中には、口腔ケアや爪切り、耳掃除などが自身でできない人もいるため、看護師が必要に応じて介助します。
さらに、入居する高齢者やその家族からの健康に関する疑問や悩みに対して、専門的な知識をもとに指導するのも仕事です。
3.その他
有料老人ホームの看護師は、インフルエンザの予防接種や定期的な健康診断のスケジュール管理などを行います。
入居する高齢者やその家族に向けて健康に関する情報を提供し、理解を深めてもらいます。
医療機関との連携
看護師は、入居する高齢者が必要とする専門的な医療サービスを受けられるように外部の病院やクリニックなどの医療機関と連携します。具体的には、定期診察の予約を行ったり、専門医の訪問看護の日程を調整したりするほか、記録した高齢者の治療履歴を共有することも含まれます。
有料老人ホームの看護師は、高齢者と医療機関の間の橋渡し役として、円滑なコミュニケーションを保つことが求められています。
日常生活の支援
有料老人ホームの看護師は、日常生活を支援する役割も担います。
これには、介護職員が行う、食事介助や入浴介助、排せつ介助などが含まれます。
基本的に食事・入浴・排せつ介助は介護士が行いますが、看護師も連携してご利用者様のサポートをすることがあります。
また、レクリエーション活動を企画・運営することもあります。
1日のスケジュール
有料老人ホームでは、夜間に看護師が常駐していなくてはいけないという義務はありません。
しかし、施設によっては看護師の夜勤もサービスの一つとして行っている場合があり、夜勤の有無は変わってきます。夜勤の代わりにオンコール対応を行っている場合が一般的です。オンコール対応では多くの場合は電話での対応となり、緊急の出勤をするといったことはあまりありません。
中には看護師が24時間常駐しサポートする有料老人ホームもあり、「日勤・夜勤」の2交替制や「日勤・準夜勤・夜勤」の3交替制を実施しているケースもあるので、求人探しの際には注意しましょう。
有料老人ホームで働く看護師のスケジュール例は以下の通りです。
【日勤の場合】
時間帯 | 活動内容 |
8:00~ | 出勤・引継ぎ |
8:30~9:30 | 朝のバイタルチェック |
9:30~10:30 | 医療行為とケア |
10:30~12:00 | 健康相談と入浴前後の健康チェック |
12:00~13:00 | 服薬準備と食事介助・見守り、口腔ケア |
13:00~14:00 | 昼食・休憩 |
14:00~15:00 | 入居者との交流や書類作成・記録 |
15:00~16:30 | 医療機関との連携と服薬準備 |
16:30~17:00 | 夕方のバイタルチェックと夜勤への申し送り |
17:00 | 退勤 |
【準夜勤・夜勤・夜勤専従の場合】
時間帯 | 活動内容 |
16:30~ | 出勤・日勤からの引継ぎ、カルテの確認 |
17:00~18:00 | 巡回、点滴交換 |
18:00~19:00 | 服薬準備と食事介助 |
19:00~20:00 | 口腔ケア、薬の内服確認 |
20:00~21:00 | バイタルチェック、おむつ交換、体位変換、就寝準備 |
21:00~翌0:30 | 消灯後の巡回、おむつ交換、体位変換、ナースコール対応 |
0:30~1:00 | 夜勤への引継ぎ、カルテの確認 |
1:00~5:00 | 巡回、おむつ交換、体位変換、ナースコール対応 |
5:00~7:00 | 巡回、バイタルチェック、点滴交換、採血 |
7:00~8:00 | 服薬準備、食事介助、薬の内服確認、口腔ケア |
8:00~8:30 | 日勤への申し送り |
8:30 | 退勤 |
2交替制の場合
日勤 8:00~18:00
夜勤 16:30~翌8:30
3交替制の場合
日勤 8:00~17:00
準夜勤 16:00~翌1:00
夜勤 翌0:30~8:30
このスケジュールはあくまで一例であり、施設によって異なります。
1日に数回あるバイタルチェックなど、健康管理が業務の中心となっています。
その他の応急処置などの業務は入居者の状態によって変わっていきます。管理栄養士や栄養士の方と寝たきりのご利用者さまに対する対策を立てる時間も入ってくるでしょう。
有料老人ホームで働く看護師の給料
有料老人ホームで働く看護師(正看護師)の給料は、勤務地や経験年数、資格の取得、施設の規模などによって異なりますが、厚労省「令和5年度介護事業経営実態調査の概要(p11)」によると、常勤(主に正社員)で月に41万9,753円~43万8,206円(年収に換算すると、5,037,036円~5,258,472円)、非常勤(主にパート)の看護師で月に37万9,005円~41万4,447円(年収に換算すると、4,548,060円~4,973,364円)となっています。
同様に准看護師は、常勤の場合367,189円/月~406,494円/月、非常勤(パート)の場合は364,601円/月~347,466円/月程度と調査で分かっています。
さらに、夜勤がある場合、夜勤手当は1回につき約8,000円~10,000円が支給され、月4~5回程度が一般的です。
夜勤手当以外に、オンコール手当や資格手当、交通費支給など、さまざまな手当があります。自宅待機しながら電話相談に応じるオンコール手当は、1回につき平均3,000円程度です。回数は施設によって異なりますが、月5回程度の施設が多いようです。(2024年3月時点)
給料は一般的に関東や関西、東海などの都市部では給料が高く、地方ではやや低めに設定されています。
希望する給料も大切ですが、福利厚生をしっかりと含むかも着目して施設を選ぶのがポイントです。特に、給料の高い老人ホームを選ぶためには、処遇改善加算の取得状況も確認しておくとよいでしょう。
もともと介護職員の待遇をよりよくするために導入された制度で、一定条件を満たす事業所が申請することにより働く職員に補助金が割り振られます。
こういった処遇改善加算などを取得している施設は、当然職員の待遇をよくしたいと考えている施設だといえるでしょう。
有料老人ホームで働くメリット・デメリット
有料老人ホームでは介護スタッフや理学療法士など、さまざまな職種の人と一緒に働くことになります。他のスタッフとのコミュニケーションを行いながら、入居する高齢者の日々の変化を見逃さないようにする必要があります。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
1.一人ひとりに向き合った看護ができる
病院との違いとして、入居する高齢者のほとんどは長期にわたって住み続けているため、一人ひとりと深く関わり、その人にふさわしい看護ケアが行える喜びがあります。
時間をかけて入居者と向き合い、信頼関係を築いてその人に合ったサポートをすることができます。
2.プライベートと両立できる
夜勤がある施設も増えていますが、病棟勤務と比べると回数は少なく、残業はほとんどなしという職場もあります。
勤務時間が比較的固定されているため、プライベートや休み、若い年代の方だと家庭や子育ての時間を大切にすることが可能です。
他にも未経験で初めは負担なく始めたいという方は、夜勤が無い施設だとデイサービス事業所などが挙げられますので、検討してみるのもいいでしょう。
また、近い距離で通える範囲(車で通勤など)で探したい、という条件で施設を探す方は非常に多いです。
3.年齢を重ねても看護師として働ける
介護施設の中では比較的給与が高い施設形態で、身体的な負担が少なく規則的に働けるため、年齢を重ねても看護師としてのキャリアを継続できるため就職先として人気です。
難しい医療行為は病棟勤務と比べて少なく、日常的なケアが中心になるので、ブランクがあって復職に悩んでいる方や経験が少ない方にも向いています。
デメリット
1.医療的判断を迫られる
有料老人ホームは原則、医師が常駐していません。入居する高齢者が急病や怪我をしたとき、医療行為が行える看護師自身で判断を下す必要があります。その際、処置に関しては中心となって対応する必要がある可能性もあります。
2.高いコミュニケーション能力が求められる
入居する高齢者やその家族とのコミュニケーションはもちろん、外部の医療機関や行政の福祉担当者との連携も必要となるため、高度なコミュニケーション能力が求められます。
3.スキルアップが難しい
医療行為を必要とする入居者がほとんどいない施設では、看護師が介護業務を行うことがあります。実際の業務についてはしっかり確認する必要があります。
さらに、病棟勤務のように専門的な医療技術を磨く機会が少なく、スキルの向上を望む看護師ほど物足りなく感じるかもしれません。自分で研修を探すなど日々看護に関する知識のアンテナを張っておくことが大切です。
なお、看護師の中でも認知症認定看護師のように、認知症看護において、ご利用者様にとって最適な緩和ケアを実践することを目的とした資格などもあります。
合格率は約50%程度と言われており、看護師としての実務経験が5年(うち3年以上の認知症分野での経験必須)必要ですが、専門的な知識は大きなスキルアップになるでしょう。
4.自分に合った求人を探すのに時間がかかる
施設によっては看護師の配置が義務となっていない場合もあります。夜勤の看護師の配置が義務付けられているのは介護老人保健施設のみのため、夜勤のアルバイトは相対的に少なくなっています。
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非公開の求人情報になっていることもあるため、地域に根差した人材派遣サービスや気になる施設の採用サイトなどに登録することもいいでしょう。
求人情報だけではなく、面接のための練習や相談に乗ってくれるところがほとんどですので、いい環境で働く前の補助として利用して、自分に合った働き方のできる求人を探すことが近道です。
まとめ
有料老人ホームでの勤務は、看護師としての新たなキャリアを提供します。
入居する高齢者とじっくり向き合い、日常生活全般をサポートすることで、看護師としてのやりがいを得ることができるでしょう。
病棟勤務と比べると夜勤が少なく、経験を活かしながら長期的なキャリアを築けるのも魅力のあるお仕事なので、とてもおすすめです。
有料老人ホームの看護師の求人も人気のため増えており、自分らしい環境でプロとして働き続けたい50代看護師にとって、有料老人ホームでの転職は一つの選択肢となることでしょう。
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この記事の著者
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