介護職の転職理由は何がある?面接での答え方や言い換えの例について解説

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介護はとてもやりがいのある仕事ですが、転職を考える方も多い職種です。現在、介護職として働いている方もさまざまな理由で転職について考えたことがあるのではないでしょうか?

採用面接で必ず聞かれる転職の理由はうまく言い換えればポジティブな印象を与えられます。


本記事では、介護職の転職の理由について解説し、転職する際の面接で答えるポイントを分かりやすく解説します。

マイナスなイメージになりがちな転職理由を印象良く伝えるコツについても紹介していますので、介護職への転職を成功させたい方はぜひ目を通してみてください。

 

よくある介護職の転職理由を解説



始めによくある介護業界の転職理由を解説します。

 

人間関係で苦労した

介護職は他者とコミュニケーションをとる機会が非常に多い職種です。

利用者へのサービス(ケア)も、複数のスタッフで連携して行うので、人間関係の悩みは大きくなりがちでケアにも影響しやすいです。


人間関係は介護職の転職理由のランキングでも上位に挙がります。令和4年度(2022年)に介護労働安定センターが実施した介護労働実態調査によると、直前職が介護関係の仕事だった人の27.5%が職場の人間関係の問題を転職理由に挙げています


介護の職場内では、介護職内の同僚・上司・看護師・運転手・医師・理学療法士などのリハビリテーション専門職・事務員、職場外では利用者・利用者の家族・他の介護事務所のスタッフなど非常に多くの方と人間関係を作る必要があります。

職場内での人間関係では、看護師や医師などの他職種とのコミュニケーションの際に、齟齬が起きてしまうことがあります。


また、同職種内でも経験年数や技術などに差が出やすく、協力してケアを行う際にさまざまなトラブルが起こる原因になります。

さらに、利用者やその家族との暴言やクレームなどを言われることもあります。

このように人間関係が悪いと、いくらやりがいのある介護職でも心身に負担を感じ、転職の理由になってしまうことがあります。

 

仕事に見合う給料ではなかった

介護職は心身に負担の大きい仕事です。そのため、給与などの待遇がモチベーションに繋がります。

介護職の報酬改定は国の施策としても取り組まれており、上昇傾向にはありますが、介護保険事業所の収入の多くは公費によるため一人当たりの手取りを多くするなどができないという理由もあります


思うような給与がもらえなかったり、介護福祉士などの資格を取得しても評価・昇給制度などが整っていなかったりすると、仕事のモチベーションを保つことが難しくなります。

そのため、給与が低いことは、評価・昇給制度が整っている職場や給与の高い職場への転職を考える理由となります。

 

残業が多かった

残業が多いことも介護職が転職を考える理由になります。

介護現場によっては、人手不足や書類業務が多いなどの理由で残業が発生してしまう職場もあります。


介護労働安定センターの「介護労働実態調査」によると週に5時間以上残業をしている介護職は全体の約15%程度いるとされています。ひと月を4週間と考えると、単純計算で介護職の15%は月に20時間以上の残業をしていることになります。

実際の現場では勉強会やミーティングなど「残業を業務として扱っていない」施設もあります。また、施設によってはサービス残業が多くなっているケースも考えられます。


このように残業が多いと仕事が終わった後のプライベートの時間を有効活用することが難しくなり、ライフワークバランスが崩れることに繋がりかねません。

そのため、残業が多いことは介護職が転職を考える理由としても挙げられます。

 

休みがなかなかとりづらい

ほとんどの介護現場はシフト勤務を行なっています。

シフト勤務は希望休を提出して組むことが多いですが、他のスタッフの希望や介護職員の能力などで希望通りの休みを取ることが難しい職場も多くあります


休みの調整が上手く行えないと休日に予定を入れることができなくなり、生活の質が低下し、モチベーションの低下につながってしまいます。

そのため、休みが少ないことは介護職が転職を行う理由になります。

 

介護観や会社の方針との相違

自分の考えている理想の介護が勤務地の求める介護士像とのギャップが大きいと、思うように働くことができないこともあります。


利用者に寄り添った介護を提供したいと考えている介護職が、効率を重視した仕事内容ばかり提示されてしまうと「このままでは一人ひとりの利用者に対して丁寧なケアをすることができない」と悩む理由になってしまいます。

このような介護観や会社方針の相違は転職理由になります。

 

よりスキルを伸ばしたい

自身の介護技術の向上を行いたいと考える介護職の方も少なくありません。

同じ職場で長期間働いていると、仕事内容がルーチンになってしまい、新しい介護技術の習得が難しい場合があります。


特に小規模の事業所では異動もないため、毎日同じ業務の繰り返しになりがちです。身を置く勤め先を変えることで、今までとは違うチームケアを知ることができたり、様々な経験を積むことで幅広い介護スキルが身につき、介護士としてステップアップできるといえます。

そのため、介護職の方がよりスキルを伸ばすきっかけとして転職を考えることがあります。

 

ライフスタイルが大きく変化した

結婚や妊娠・出産、引っ越しなどのライフスタイルにおける転機は介護職に関わらず転職を行う理由になります。

特に介護業界は女性の方が多いため、結婚や妊娠・出産・育児などの大きなライフイベントが理由になることが多くなります。正社員として長時間の勤務に対応できず、働き方を変える場合もあるでしょう。


また、事業所によっては時短勤務や夜勤なしなどの勤務ができない職場もあり、そのような事業所では育児をしながら働くことが難しいケースも少なくありません。

このようにライフスタイルの変化は介護職に限らず、転職を考える理由になります。

 

面接官が転職理由を尋ねる理由


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次に面接官が転職理由を聞く理由について解説します。

転職理由は採用面接で必ず聞かれる項目のひとつです。事前にしっかりと確認し、就職面接などを受ける際の参考にしてください。

 

自社に関心があり熱意があるかどうか

転職で面接にくる介護職に対して、ほとんどの面接官が自社に関心があり熱意があるかどうかを確認します。

面接官は事業所の経営理念に合う介護職を採用したいと考えています。そのため、面接で自社のどこに興味を持ったか、企業理念などは理解できているかを確認し、企業研究の深さを確かめます


企業研究の深さは志望度の高さと比例しており、転職を考えている介護職の本気度を確かめるために必要な質問になります。

面接を受ける際は、企業の理念のどのような部分に魅力を感じているのかや転職を希望する理由などをしっかり答えられるようにしてから臨みましょう。

 

雰囲気や社風に合うかどうか

面接を受けに来た介護職をチェックするポイントとして、介護事業所の雰囲気や社風に合うかどうかが挙げられます。

面接官は自事業所の企業理念と個人の理念ができるだけ合致している人を採用したいと考えています。


事業所の考えと個人の考えに乖離があれば、介護現場の雰囲気に合わず、せっかく採用した介護職がすぐに離職してしまうことがあります

そのため、面接ではその事業所の雰囲気や社風に合うか確認が行われます。

 

転職理由を伝えるうえで大切なポイント


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では、実際に面接で転職理由を聞かれた際に回答する上での大切なポイントを解説します。

 

前向きな退職であったことを伝える(キャリアアップなど)

事業所の閉鎖などの会社都合による退職でない限りは前向きな退職理由であったことを伝えましょう。

例えば、前職では何が問題だったのか、転職によってどのように状況が改善するのか、希望先でどのように自分のスキルを活かし力になれるのかを組み立てて伝えると「問題を解決する意欲がある」「熱意をもって働いてもらえそう」だと思ってもらえるでしょう。


ただし、話の流れで前職での待遇の愚痴や人間関係の不満などの理由をそのまま伝えてしまうと、面接官に職場に対し不満を持ちやすい人と印象づけてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

必ず前向きな転職理由であったこと、長く働く意思があることを伝えるようにしましょう。

 

どうしても転職する必要があったことを説明する

転職を行う際の面接ではどうしても転職する必要があったことを説明する必要があります。

介護職の仕事内容は、事業所によって異なりますが、おおまかには類似している業務を行うことが多くあります。そのため、面接において受ける事業所と前の職場での違いを説明できるようにしておくと良いでしょう


例えば、「身体介護が中心だった職場から認知症の介護ができる職場に転職して認知症の方に寄り添った介護ができるようになりたい」などの答え方をすると、前向きさを感じる志望動機になるので、面接官からの印象が良くなります。


中には、引っ越しや家庭の事情などやむを得ない状況で転職することもあるでしょう。前向きに説明しようとすると不自然になってしまう場合は、そのまま伝えることもひとつの方法です。

ただし、志望動機がはっきりしていない場合は心証が悪くなってしまうので説明の方法に気を付けましょう。

 

転職理由を言い換えて印象よく伝える


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上述の転職理由はネガティブな理由が多くあります。

面接官は限られた面接時間の中でできるだけ離職しない人材を採用したいと考えています。


その際に、前職での転職理由が希望通り休めなかったなどの待遇面、人間関係が嫌だったなどの理由を直接伝えてしまうと、面接官に同様の理由で再転職を考える可能性のある人だと判断されてしまうことがあります。

そのため、転職の理由を答える際はできる限り前向きな表現を使うようにしましょう。

以下に転職理由をポジティブに言い換える例をご紹介します。

 

人間関係がつらかった時の言い換え

人間関係が良くなかった際は、チームケアの重要性について説明すると良いでしょう。

介護職では自職種だけでなく、他職種とのチームを組んでサービスを提供することが一般的になっています。そのため、介護スタッフ、看護師などの職員同士が意見を交換できる環境が重要になります。


転職理由には、チームケアが行いづらかった理由と転職先で行いたいチームケアについて伝えると採用担当者に与える印象が良くなります。

 

給料が低かった時の言い換え

給料が低いことが転職理由の場合は、自身の能力や頑張りを正当に評価してほしいと伝えることが重要です。


前職では評価制度が整っていなかったため、制度が確立している事業所への転職を希望したなどと伝えましょう

もちろん、「頑張ったのに評価が上がらなかった」などのネガティブな伝え方はしないように注意しましょう。

 

残業が多く休めなかったときの言い換え

残業が多く、休めなかったときの言い換えは休みを自身のスキルアップに繋げたいと伝えましょう。

前職での残業時間を自身のスキルを上げるための研修などに使いたいと伝えることで向上心の強い人と感じてもらえます。


また、忙しさを理由に転職を決めたという場合は「プライベートな時間を確保して、気持ちに余裕をもって仕事に取り組みたい」という表現も良いでしょう。

 

介護観が合わなかった時の言い換え

自身の介護観と経営方針や理念が合わなかった時は、自身が何を大切にして働きたいかを伝えるようにしましょう。


介護観と前職の不満のみを伝えるのではなく、自身の介護観がなぜ前職ではできなかったのか、転職先ではどのような点でその介護観を生かして働くことができるかを伝えるようにしましょう。

 

大事なのは嘘をつかずポジティブな面を見ること

ここまで、面接における転職理由を聞かれた際の答え方について解説を行いました。

介護職が転職をする理由はさまざまな理由がありますが、大事な点は嘘をつかずにポジティブな面を見せることです。


転職理由はネガティブなものが多いですが、ポジティブに話し、希望先における仕事への意欲やいままで未経験だった仕事にもチャレンジするなど、自身を成長させたいという思いをアピールすることで面接官からの印象が良くなり、採用される可能性が上がります。

また、嘘をついてしまうと採用後に働きづらくなってしまうため、正直に話すことが重要です。

 

介護現場の転職先を探すときのポイント


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いざ転職を決意しても、介護職として働く職場選びに悩むこともあるでしょう。合わない職場を選んでしまったらせっかく転職しても期待通りの待遇にならず、すぐに辞めることになってしまうかもしれません。

そのような失敗を避けるために、ここでは転職先探しに重要なポイントを3つ紹介します。

これらの優先順位を明確にしておくと志望先を絞り込みやすくなります。

施設形態が合っているか

介護職が活躍できる現場としては、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、介護老人保健施設、訪問介護事業所など様々です。

施設や提供しているサービスによって働き方やケアの方法など、それぞれ特徴があります


介護の実践的なスキルを上げたいのであれば、介護老人保健施設など、時には医療的ケアが求められる現場となる施設勤務もよいでしょう。在宅介護にチャレンジしたいのであれば、訪問介護事業所での勤務もおすすめ。デイサービスなどの通所施設であれば日勤をメインとして働くことも可能です。

まずは、自分の転職の軸がどこにあるのかを明確にしましょう


また、施設見学ができる場合もあります。応募する前に職場見学を行い、志望先では意見を言い合えるような雰囲気なのか、良い人間関係が構築できそうかどうかなど職場環境を意識してチェックしておくと自分に合った介護施設を見つけることができるでしょう。

勤務地が近い

介護職には夜勤もあります。通勤距離が長いとそれだけでストレスになったり、体力が必要になったりします。

無理なく通える距離にあるのか、通勤にかかる時間や費用はどれくらいかかるのかといった部分を考えておくことも必要です


また、駐車場があるのか、通勤手当や住宅手当などのルールはどうなっているのかなども職場・勤務先によって異なるので事前に確認しておきましょう。

福利厚生・労働条件がいい

福利厚生が整っているかどうかも働く先を選ぶときに重要です。

手厚い教育を受けられるような体制が整っていると、スキルアップだけではなく、給与アップにもつながります。

特に「将来、ケアマネジャーになることを目標にしている」など、キャリアアップを目指している方は、資格取得の支援制度を利用できるかどうかを確認しておくと良いでしょう。


他にも、求める給与額に近いかどうか、最新のICT機器などの導入が進んでいるのか、人員配置はどの程度厚いのか、昇給制度や手当は整備されているのか、有給がとりやすいかどうかなど、働きやすい環境になっているかどうかは長く働くことを考える上で大切なポイントです。

これらの情報は求人票だけではなく、介護施設のホームページなどでも積極的に調べておきましょう。

キャリアや前向きな転職を検討する

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介護職の採用面接で転職理由を聞かれる理由は「同じ理由で退職してしまわないか」「キャリアプランの希望に合う仕事内容になるか」など、採用側との条件のミスマッチがないかどうかを確認するためです。

採用の担当者としても、すぐに辞めてしまう人よりも長く働き続けられる人を採用したいという考えを持っているのは当然のことです。

 
介護職の転職理由としては、「人間関係に問題があった」「労働条件が悪かった」など、ネガティブなものが多く挙げられます。

しかし、採用担当者へ伝えるときにはネガティブな表現は避け、今後どのようなチャレンジをしていくか、長く働き続ける理由を見出しているか、介護に対してどれだけの熱意やこだわりがあるかなどポジティブかつ納得してもらえる前向きな理由になると好印象を与えられ、採用につながるでしょう。

 

まとめ


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本記事では介護職の転職理由と面接で答えるポイントについて解説しました。

介護職が転職を考える理由はさまざまなものがありますが、面接においてはポジティブな言葉にして伝えることで相手に「活躍が期待できる人材である」と思ってもらうことが重要です。


これからも高齢者が増えていく中、さらに需要が高まる介護職。スムーズな転職活動を行うために、自分の中の軸を決め、前向きな姿勢が伝わるように意識していきましょう。

本記事が介護職の皆様が転職を考えた際の参考になれば幸いです。

 

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