男性介護士に注目!将来性と求められること、転職に役立つコツを紹介

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超高齢化社会を向かえる日本において、介護士は将来性があり、適性さえあれば介護系の資格やスキルを持っていなくてもチャレンジし、スキルアップやキャリアアップを目指すことも可能な職種です。

一方で、年収が安いとか、女性が活躍している職場であるというイメージが強く、男性にとっては転職先として躊躇してしまう要素があるのも事実です。

これから男性介護士になるために、どのような条件で求人情報を探すべきなのか悩んでいる方も数多いでしょう。

この記事では、男性介護士の現状や適性、転職活動におけるポイントなどについて一覧で解説いたします。実際に介護職への転職を検討される場合には、ぜひ参考にしてください。

男性介護士のリアルな実状


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介護士はどのような男性にとってふさわしい転職先であるのか、についてリアルな実情を詳しく検証していきましょう。

女性介護士との割合

1985年に男女雇用機会均等法が制定されてから40年近くの月日が経過し、フライトアテンダントや看護師など、名称自体が変更され、性別の垣根がなくなった職種は多いです。

しかし、いまだにどちらかの性別の人が圧倒的に多い職種が存在しているのも事実です。


例えば看護師ですが、厚生労働省の「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、看護師として働いている男性の割合は8.6%しかありません。

一方で介護士は、(公財)介護労働安定センター「令和元年度介護労働実態調査」によると、男性の割合は正規職員の介護士で33.6%、非正規職員の介護士で12.9%となっています

明らかに女性介護士のスタッフが多いものの、男性介護士も需要は高く、看護師と比べるとかなり男性が活躍している職種であるとも言える状況ではあります。

介護士の給料

厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所)によると、介護福祉士の平均年収は約397万円です

令和4年度民間給与実態統計調査」における日本人の平均給与は約458万円ですので、やや安い水準に留まっているといえます。

女性高齢者から介助をいやがられることも

性別が異なる利用者を介助することを異性介護と言います。介護の中には、入浴介助や排泄介助などで羞恥心を感じてしまう内容も多くありますが、女性利用者には異性の介護士からそれらの介護を受けることに対して、抵抗を感じる方がいます

つまり、男性介護士による介助に不安を感じたりいやがる女性利用者が発生してしまうことが、男性介護士の採用を躊躇させるという事実は、少なからず存在しています。

男性の介護士に求められること


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介護職の仕事内容は、次の2つに分けられます。


●   身体介護

●   生活援助


食事の支度や掃除、洗濯といった生活援助は、介護士にとって体力的な負担はありませんが、食事や入浴、排せつ、服薬の介助などを行う身体介護には体力的な負担は伴います。

例えば、車いすを利用するような自力での移動が困難な利用者にはベッドから車いすへの移乗補助などが必要となります。また、身体を動かすことが難しい利用者には、清拭(身体をふくこと)をするために身体を抱え上げたりしなければなりません。

正しい方法やコツをつかめれば負担軽減につながりますし、必ずしも男性が女性より体力的に強いとは限りませんが、体力が必要とされる場面においては力のある男性介護士は頼られる存在であることは間違いありません。

男性のご利用者様の介助

同性の介護士による介助だと安心する人が多いということもあり、同性介助は高齢者・障害者の介護の基本だという考え方があります。異性が介護をする場合、羞恥心が邪魔をして、言いたいことやしてほしいことを遠慮して我慢してしまう傾向があるからです。

したがって、特に女性介護士の多い職場や男性の利用者が多い介護事業所においては、男性介護士を採用する必要性が出てきます。


令和4年度に厚生労働省が行った介護給付費等実態調査によりますと、要介護と認定されたうち男性の割合は32.3%です。

給付金を申請した人が全て介護施設を利用するわけではありませんが、正規(33.6%)と非正規(12.9%)を併せた介護士の割合が20%強程度であることを考えると、やや男性介護士の割合が低いと言えます。

事業運営など長期的な活躍が見込める

令和4年に厚生労働省が実施した雇用動向調査において男女別の離職率を比較すると、女性は16.9%であり、男性より3.6%高いです。

一因として、女性が「結婚、出産、育児、介護、看護」といった家庭環境の変化などによる個人的な理由をあげて離職する率は13.4%で、男性(8.9%)より4.5%も多いことが挙げられます。


厚生労働省が行った「介護労働の実情」という調査においても、介護士の離職理由の2位が「結婚・出産・妊娠・育児のため」となっています。

「夫は外で働き、妻は家を守るべきである」という考え方は、昭和54年と平成24年を比較すると半数以下になったという統計もありますが、男女平等が叫ばれる現在においても、家庭環境の変化が起こった時などには、女性に対して社会全体からの圧力がかかり、離職してしまう可能性が高いという状況が続いています。

このように、男性職員は女性に比べて職場に定着し、長期間にわたって活躍する可能性が高く、ゆくゆくは事業運営などにキャリアアップしてもらえる可能性が高いと判断され、採用される可能性があります

介護士の将来性はどのようになっている?


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少子高齢化や女性の社会進出、未婚者の増加などの社会変化などの影響もあり、家庭内で介護するというケースは減りつつあることや、令和24年に3,935万人でピークを迎えるまで65歳以上人口は増え続けるという背景もあり、しばらくの間は介護士のニーズに伴い掲載される求人や会社も益々増加していくでしょう。

現状においても、公益財団法人介護労働安定センターが令和4年度に実施した介護労働実態調査によると、介護事業所が抱える人材の不足感は60%台で推移しています。

男性の介護士自体が増えている

公益財団法人介護労働安定センターが実施している「介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」によりますと、令和4年度の介護労働者における男性の割合は22.2%です

平成25年度の20.9%と比べると、男性の割合は1.3%増加しています。介護士のみのデータではありませんが、すこしずつ増加しているという情報は間違いないようです。

処遇改善や加算が業界全体で増えている

介護士が勤務する介護事業所は、実際に行った介護サービスに対して自治体から介護報酬を受け取ります。

事業所は支給された介護報酬から必要経費などを差し引いた金額を原資として、介護士を含めた全従業員に賃金を支払います。


この介護報酬の金額は国が定めており、原資は介護保険料です。つまり、介護保険料が増えないと介護士の給料は上がらないということになります。

処遇改善のための介護報酬の改定は3年ごとに行われており、令和6年には現場で働く社員の賃金2.5%、令和7年には2.0%のベースアップにつながるように加算率の引き上げが予定されています


介護士賃金の原資となる介護保険料率ですが、制度が始まった平成12年は0.60%でしたが、23年経過した令和5年には約3倍にあたる1.82%まで上昇しています。

国の施策次第という側面はありますが、慢性的な人手不足を解消するために、今後も待遇改善が行われ給与が上がることが期待できるでしょう。

管理職などに比較的なることが多い

介護業界には一定の資格や経験年数を要する管理者やサービス提供責任者、ケアマネジャー、生活相談員などさまざまな役職があります。

介護職として経験を積んだ後、管理職へキャリアアップする男性も多くいます。

介護職を目指す人は、直接利用者のサポートをしてあげたいという理由をあげることが多く、現場を離れて管理の仕事をしたいという人は多くありません。そのため、管理職を目指すのであれば、周囲に意思表示をしておいた方が良いでしょう

他にも介護福祉士や社会福祉士といった国家資格を取得すると、現場での指導役や医療関係や行政とのやりとりなど、管理的な仕事に就く機会が増え、管理職の道は開きやすいです。

また、過去に管理職の経験があれば介護事業所から求められ人気もあるため、管理職経験者としての評価を得られる場合もあります。

男性で介護士転職に向いている人

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介護職に向いていると思われる性格としては下記のような特徴があげられます。


●   温和でやさしい

●   おおらかである

●   低姿勢である

●   思いやりがある


これらの要素は、女性のイメージに合致するため、男性は介護職に向いていないと思われているようですが、男性でも向いている人はいらっしゃいます。

具体的に例をあげてみましょう。

状況に合わせて柔軟な対応ができる

介護士は介護をする際に利用者と接しながら、微妙な変化に気付いてあげる必要があります。そして、何か不測の事態に陥った場合にも臨機応変に判断し、対処する行動力が求められます。

時には毅然とした態度が求められるので、決して男性が不得意とする分野ではありません。

コミュニケーションが好き

介護の場において必要とされるコミュニケーションは、利用者の声に常に耳を傾けて、内容を受け止め、長期的に信頼関係を構築していく能力です。

第一印象が良く、人当たりがやわらかである方はもちろんおすすめなのですが、無骨でもとにかく人とのコミュニケーションが好きで、長期的な関係性を築くことができるかたもやりがいを感じるでしょう。

身体のメンテナンスができる

介護の現場では、身体を支えたり、持ち上げたりといった体力を必要とする場面も多いので、男性介護士には身体的な強さが求められます。

また、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設や提供しているサービスの種類にもよりますが、夜勤を避けられない場合もあります。

決して優れた体力を持ち合わせてなければならないというわけではありませんが、健康な状態を保ち、身体をメンテナンスするという意識は必要です

転職を成功させるためのポイント


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介護職に限らず転職を成功させるには、自分がその職種に向いているという客観的事実を相手に伝えなければなりません。

ここではいくつかのポイントや方法について見てみましょう。

コミュニケーション能力を表現できる経験を話す

介護士にとって大切なのはコミュニケーション能力です。しかし、ほとんどの人は日常においてコミュニケーションをとりながら生活しています。

普段行えているわけですから、当然コミュニケーション能力があると思っている人がほとんどです。


したがって、介護職にとって必要なコミュニケーション能力を駆使した業務経験を伝えることで、自分が介護職に向いていることを表現します

例えば、相手と同じ目線にたって、しっかりと話を聞くという能力を伝えるために、子どもやお年寄り、日本語が苦手な外国籍の人などと、コミュニケーションをとったエピソードなどを話すと良いでしょう。

清潔感や言葉遣いを整える

介護士は利用者と直接触れる仕事であるため、相手に不快感を与えないように清潔感を感じさせるように配慮して、丁寧な言葉遣いをしなければなりません

例えば髭(ひげ)ですが、特に女性が不快感を感じることが多いようです。爪や指輪などは、相手を傷つけてしまう恐れがあるため、形状などに配慮が必要です。

髪型も、長髪だと利用者に髪が当たってしまう可能性があるため、まとめておくと良いでしょう。


言葉遣いに関してですが、敬語が基本です。くだけた話し方を好む利用者もいると思いますが、不快な感じを持たれる利用者もいます。

くだけた話し方をすると差別だと感じる人も出てきますので、敬語で話すようにしましょう。

介護の資格を取っておく

未経験・無資格の方でも経験を積み、資格を取得することで昇給や昇進を目指しやすいのが介護職のメリットです。

未経験者・無資格であれば、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)や介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の資格を取得しておくと良いでしょう

介護職員初任者研修とは、介護職として働くうえで必要な知識や技術を身につけられる、介護の入門的な資格です。この資格があると訪問介護のヘルパーとして身体介護を行えるようになります。

自宅学習40時間、スクーリング90時間、合計130時間のカリキュラムを受講し、修了試験に合格すれば資格が取得できます。

介護職の基本を学ぶことで、介護職の理解が深まるわけですから、採用面接において有利になることは間違いありません。


また、介護職に就いた後でも給与のアップなど待遇をあげるために様々な資格に挑戦したり、研修を受けることができます。

例えば、ケアマネージャーは、直接介護を行う現場から離れ、介護サービスを利用するために必要なケアプランを作成する役割を担う専門職です。

理学療法士や作業療法士は、リハビリなどを通じて患者の身体機能向上をサポートする専門職です。このように多様なキャリアパスがあることも、介護士の魅力のひとつです。

是非、転職をする前や就職後のキャリアアップに向けて、その他の資格を取得することも視野に入れましょう。

男性の介護士が多い施設かどうか調べる

厚生労働省が行った「介護労働の実情」という調査において、介護士の離職理由で1位となったのは「職場の人間関係に問題があったため」です。元来男性の比率が低い業界ではありますが、余りにも男性の比率が少ないと、職場で孤立してしまう可能性があります。

職場の人間関係は長く勤めるためにはとても重要な要素です。少なくとも男性介護士の比率が20~30%はある職場を選んだ方が働きやすいでしょう。

まとめ

男性介護士は、日本が直面している超高齢化社会に対応するためにもなくてはならない職業です。将来性という言葉よりは、必要性といった方が的確かもしれません。

一方で、収入面で年収が低いという介護士の抱える悩みは改善しつつあるとはいえ、まだまだ大きな問題となっています。その点は、男性が介護士を職業として考える上での懸念点となっています。


一方で、介護職は資格を取得することで、より専門性の高い仕事ができるようになります。これは大きな特長であり、自らの努力で待遇改善ができるわけです。

以上のことから、男性介護士への転職を考えるのであれば「性格適性があるかどうか」「資格に挑戦する志はあるか」「管理職を希望するか」といった点について自分の考えを整理して、適切な職場・職種の募集を探し応募するようにしましょう。


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