更新日:2024/05/07

介護士転職で外せない条件は?理想の職場に出会い後悔しないための成功ポイントを解説!

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介護士は基本、働く職場が変わっても仕事の内容や年収が大きく変わることはありません。特に年収面は、介護士の給料が自治体から支払われる介護報酬によって支払われているため、職場による差はほとんどありません。


つまり、理想の職場を探すためには、雇用条件だけではなく「今の職場を変えたい」と考えた理由をしっかりと分析して、その原因を取り除くことができる転職先を探さなければなりません。

この記事では、介護士転職を成功させる方法について解説いたしますので、後悔しない職場選びの参考にしてください。

重要視すべき条件を解説


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介護業界の転職は、雇用条件などを重視して応募する人が多いようです。

ここでは、重要視すべき4つの条件について解説いたします。

業務内容や働く環境

介護福祉士など介護職の仕事内容は、施設や職種が変わってもほとんど変わらないという印象がありますが、それは大きな間違いです。

特別養護老人ホームのような入居者を24時間サポートする施設もあれば、デイサービスセンターのように一定時間だけ利用者が滞在する施設もあります。

また、訪問介護のように1人で出向いてサービスを提供する方法をとる場合や、デイケアのようなリハビリテーションなどの医療行為を行う場合もあります。

施設の特徴によって業務内容がどのように変わってくるのか、考える際に重要な点についてまとめてみました。

●   夜勤の有無

●   施設の目的(生活の場・娯楽の場・治療の場)

●   体力仕事の有無(入浴補助など)

●   利用者の症状(認知症型など)

●   複数施設を運営する法人か否か(転勤の有無)

 
また、「職場の人間関係」を改善したいという理由の場合、「職場に男性職員がいなかった」という男性介護士や、「同世代の職員がいなかった」という新社会人で未経験の介護士などは、実際に働いている職場の人数構成などを調べておくと良いでしょう。

給与の条件

保育士や看護師などと同じように、介護士の給料は職場が変わっても条件の差はあまりありません。

月給などの金額を比較するよりは、昇給のルールや評価制度、各種手当などが自分の考え方や価値観に合致しており、納得できるかどうかなどを重視すると、長く勤務できる施設に転職できる可能性が高くなります。

福利厚生・休日の条件

福利厚生の内容や休日に関するルールには、労働基準法などで定められている制度もありますので、まずはしっかりと把握しておくようにしましょう。


例えば労働時間についてです。

労働基準法では労働時間の上限を「1日8時間・週40時間」と規定されています。残業時間はいわゆる36協定で定められており、上限は月45時間・年360時間です。

臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならなくなった職場は、「月45時間・年360時間」を超えて労働させることができると定めています。

この場合は、特別条項付きの36協定を労使間で締結したうえで、管轄の労働基準監督署に届出の対応をする必要があります。


休憩時間も最低ラインは労働基準法によって定められています。なお、休憩時間は分割で支給するルールでも構いません。

●   労働時間が6時間以内の場合は休憩時間を取る必要はない

●   労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は、最低45分の休憩時間が必要

●   労働時間が8時間を超える場合は、最低60分の休憩時間が必要

休日には「法定休日」と「所定休日」があります。

法定休日とは、労働基準法によって規定されている休日で雇用主は労働者に対して、週単位で1日以上、または4週間単位で4日以上の休日を与えなければならないとされています。

一方で所定休日とは、法定休日の他に会社が定める休日で、就業規則や雇用契約書などで明確にしておく必要があります。 


また福利厚生にも休日と同様に「法定福利厚生」と「所定福利厚生」があります。

健康保険(介護保険を含む)・厚生年金保険・雇用保険・労働者災害補償保険 (以後、労災保険と呼称)といった社会保険は、法人の規模にもよりますが法律により加入が義務付けられています。

健康診断は、労働安全衛生法第66条に基づき、従業員に受診させることが義務付けられています。


いわゆるブラック企業かどうかは、上記に記載したような法律を遵守する運用が、福利厚生や休日の条件について行われているかどうかで判断できます

また、会社が独自に運用している制度が実施されている理由を知ることで、企業文化を知ることができます。自分のライフスタイルに合わせて、施設を比較する視点を持っておきましょう。

資格やキャリアアップに関わる条件

厚生労働省が実施した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によりますと、無資格の介護士の平均月給は268,680円であるのに対して、介護福祉士は331,080円、社会福祉士は350,120円となっており、6~8万円前後の差が生じています。

つまり、待遇をあげるためには資格を取得することが一番の近道だと言えます。有資格者に対しての給料制度は、それぞれの施設によって異なっていますので、現在の自分が有資格者ではなかったとしても、資格取得後を想定して制度の詳細について確認するようにしましょう。

また、従業員の資格取得に対して研修を実施したり、補助金を支給したりする資格取得制度を実施している会社や事業所もありますので、制度の有無を確認しておきましょう。

後悔しない転職のための成功ポイント


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ここでは、後悔しない転職をするための2つのポイントについて解説いたします。

自分にとっての最優先の軸を決める

全てにおいて満足できる職場を探すことは、誰にとっても困難です。例えば残業が多い職場は一般的にブラック企業だとして敬遠されますが、体力には自信があるのでとにかくお金を稼ぎたい人にとって、悪い職場ではないかもしれません。

そのため、後悔しないためには自分が次の職場に何を求めるのか、優先事項をはっきりさせる必要があるのです


「子育て中なので、給料が安くても家から近くて休みが取得しやすい職場が望ましい」

「今の給料が安くても将来的に年収をあげるために資格取得制度がある職場がよい」

 
上記のように、自分にとっての最優先の軸、なににやりがいを感じているのかを決めることが重要です。

求人の掲載更新頻度や応募要件の差が大きくないかチェック

職場環境が悪く、職員の入れ替わりが激しい施設は、人手不足が常態化しており転職サイトに求人が常に掲載されている可能性があります。

施設数や規模の拡大を図っているといった理由が記載されている場合は除き、常に求人を見かける施設は職員の定着率が低く、過酷な労働環境である可能性が高いです

口コミなどの情報収集を行い、応募するか否かを決めましょう。

また、介護福祉士など介護職の給料は、自治体から支払われる介護報酬が原資となっていますので、自治体によって全国で約5万円ほどの差が生じていますが、同地域であれば給料はほとんど同じになる筈です。

したがって、周囲の施設よりもかなり高額の年収が提示されている職場には、年収に差をつけないと人手が集まらない何らかの理由があると考えた方が良いでしょう。

例えば、人員不足による休日出勤や残業が常態化していることが理由で年収が上がっている可能性があり、注意が必要です。

転職を失敗する人の傾向


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転職を繰り返してしまう人は、働き始めた後に人間関係などで問題を起こしやすい性格であったり、飽きっぽい性格であると思われがちですが、もしかしたら転職先を選ぶ段階で失敗しているのかもしれません。

ここでは、介護業界における転職活動で失敗してしまう人の3つの傾向について解説いたします。

家から近いだけで選んでしまう

雇用条件も業務内容も変わらないのであれば「家から近いほうが通勤などの負担が少ない」という理由で転職先を選ぶ人も多いです。しかし、神経質な人は特に、下記のような場合を想定しなければなりません。

 
「プライベートの時間でも職場の職員や施設利用者に会ってしまうため、気が休まらない」

「何か問題が発生した際に気軽に呼び出されてしまうため、休日になっても落ち着かない」

 
上記のようなことが気になりそうであれば、少なくとも日常の生活圏からは離れている場所の方が望ましいでしょう。

しっかりと条件の比較をしなかった

求人の掲載内容だけをみて「他の求人との違いはない」と判断したが、後々細かく条件面を比較したら「違いがあることに気がついて後悔する」といったことは起こりえます。

求人票の掲載内容や面接の場での解説には、文字数や時間の限りがありますので、全てを説明しきれないからです。

可能であれば自分で比較表を作成し、ヒアリングした内容も付け加えていきながら、比較検討できる状態を整えるようにしましょう。

教育や福利厚生について全く重視していなかった

未婚の時は基本的な勤務時間だけでなく、育児休暇や家族手当の福利厚生について重視することなく職場を選んでしまいがちですが、長きにわたり働き続けたいと考えるのであれば、将来自分自身の環境が変わることも考えて、転職先を選ぶ方が無難です。

また、今は資格取得に興味がなくても、いつの日か資格を取得して専門的な知識やスキルの獲得をして年収をあげたいと考える日が来るかもしれません。

その場合、職場の教育に対する支援体制がしっかりとしている環境であれば、働きがいに直結するでしょう。

今後、自らに起こり得るあらゆる場面を想定し、転職活動を行うようにしましょう。

事前の準備が大事!


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転職の目的を明確化することなく転職活動を始めてしまったために、準備が不十分で情報収集がうまくいかずに、転職が失敗してしまうことがあります。

ここでは、事前に行うべき3つの準備について解説いたします。

自己分析を行う

転職活動において、自分が職場に対して重要視している軸を決めることが重要ですが、自分のことがわかっていなければ、軸を決めることができません。ここで大切なのは自己分析です。

自分に向いている自己分析の方法を見つけて、試してみてください。

 
・自分史

・マインドマップ

・ジョハリの窓

・ライフラインチャート

 
上記の方法を利用することで自分の長所や短所がわかれば、その内容を盛り込んだ志望動機を作成したり、自己PRに盛り込むようにしてください。根拠がしっかりとした、相手の納得を得られるアピールができるようになります。

求人の比較をして自分に合った施設を選定する

自己分析が終わり、自分の転職軸が決まったら、求人の内容を比較して、自分にあった施設を選定できるように、比較表を作成しましょう。

また、求人を比較する際は自分で探したものだけではなく、友人や知人からの紹介された施設も是非候補に入れましょう。

応募書類や面接の対策

介護業界経験者の転職活動における応募書類や面接の役割は、自分をPRして即戦力の人材としての評価を得ることです。

また就職の採用面接の際、面接官には企業理念や社風・介護方針など、職場の雰囲気に馴染むことができるパーソナリティなのかどうかを見られています。

従って、どのような人物像の介護士が求められているのか、事前に得た情報からイメージした上で、対策を練らなければなりません。


自己紹介は介護士にとって大切なPRの場となります。それは、介護の職場ではチームとして連絡を取り合いながら動くことが求められるため、情報伝達を正確に行うコミュニケーション能力が求められるからです。

また、退職理由についてはどうしてもネガティブな内容になりがちです。面接官にまた同じ理由で辞めてしまうのではないかと思われてしまうと合格を勝ち取ることはできません。

嘘をつくのではなく、ネガティブな内容をポジティブな内容に変換して伝えるようにしてください。例えば「給料が安かったから」と言うのではなく、「キャリアアップや資格取得に積極的な職場に移りたかった」という言葉に変換してください。

以上のような理由で、応募書類や面接の対策は内定を勝ち取るために必要ですので、十分な対策をするようにしましょう。

転職を考えた時によくある疑問


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ここでは転職活動に関連する、よく聞かれる悩みとして3つの疑問について回答いたします。

転職のタイミングはいつがいい?

転職は、引継ぎなどを行う期間さえあれば、どのタイミングで行っても基本的には問題ありません。しかし、介護施設は地方自治体のスケジュールとかなり密接に関わっています。そのため、円満退社を希望するのであれば、年度末に当たる3月末で退職して、4月頭から新しい転職先で勤めるタイミングが最適であると言えます

問題は、引継ぎ期間の設定です。現職に就業規則があれば、退職を申し出る期限が記載されていることがありますので、まずは記載内容を確認しましょう。

1~2ヶ月程度であれば、なるべく規定に従った方がよいでしょう。但し、3ヶ月以上となっている場合は、転職先が待ってくれないケースが多いので、就業規則通りに動くことはリスクです。

転職先となる新しい職場と相談して対処法を決めてください。

なお、法律的には2週間前までに退職の意向を示せば辞められることになっていますが、1ヶ月程度の期間を設定するのが通例となっています。

転職のきっかけは何が多い?

(公財)介護労働安定センターが実施した「平成29年度介護労働実態調査」によりますと、介護福祉士などは以下のような理由で転職する人が多いです。

●   職場の人間関係に問題があったため(20.0%)

●   結婚・出産・妊娠・育児のため(18.3%)

●   法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため(17.8%)

●   その他に良い仕事・職場があったため(16.3%)

●   自分の将来の見込みが立たなかったため(15.6%)

●   収入が少なかったため(15.0%)

 
「職場環境への不満」と「将来に対する不安」がキーワードになっています。

転職回数が多くても大丈夫?

転職回数が多いと面接官はどうしても「忍耐力がないのではないか」「人間関係などに問題がある人ではないか」という疑念を感じることがあります。

年齢が20代であれば3回以上、30代であれば4回以上転職していると、一般的に転職回数が多いと判断されるようです。

一方で、複数の施設を経験してきたことによって「問題解決能力がある」「経験に基づくノウハウを持っている」と判断されれば、高い評価を受けることができます

劣悪な環境の施設に入所した際に取り組んだ業務改善の成功体験など、具体的なエピソードなどを交えることで説得力が高め、自己PRができれば転職回数が多いというハンディキャップをくつがえすことはできるでしょう。

まとめ

介護士を経験した人が、転職することによって職場を変えたいと考える際は、今までよりも良い環境で働きたいと考え、転職活動を始めることが圧倒的に多いようです。

しかし、自分にとってどんな条件が揃えば働きやすい職場といえるのか、はっきりと答えられる人は意外に少ないです。

介護士は職場が変わっても仕事の内容や年収が大きく変わるわけではないからこそ、少しでも良い環境で働きたいと考えることは当然のことかもしれません。

理想の転職を実現させるため、無料の転職サイトに登録したり自己分析したり、事前準備をしっかりと行ってから、活動をスタートさせるようにしてください。 この記事をお役立ちさせていただければと思います。

 だけでよいのでしょうか。この記事では、介護士が転職で成功するための方法について解説いたします。

 

この記事の著者

派遣のキャリアマルシェ_編集部

介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。

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