更新日:2024/04/19

介護士へ転職した時の年収は?施設形態や資格別の平均年収と給与アップのポイントを解説

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介護



介護業界への転職を検討している方にとって、最も気になるのは「いくら稼げるか?」という点でしょう。年収を増やすには、具体的な給与データとその背後にある要因を理解することが不可欠です。

本記事では、介護士の平均年収、年収に影響を与える主要素—性別、施設形態、資格、勤務年数、年齢、地域差による違い、さらには、関連して具体的な年収アップのポイントを解説します。

転職を検討している方、現役の介護職で年収を上げたい方はぜひ内容を参考にしてみてください。


なお、この記事のデータは、厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」同省「令和5年賃金構造基本統計調査」国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」を参照しています。

介護士の平均給与の実態調査(平均月収・平均年収・手取り額)


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介護職(正社員)の平均月収は317,540円です。平均月収に12をかけて単純計算すると3,810,480円で、平均年収は約380万円という結果になりました

全産業の平均年収(正社員)523万円と比べると、決して高い給与水準とは言えませんが、国は要件を満たした介護施設・事業所に対して、処遇改善加算などを支給しており、介護職の給与に上乗せされています。

介護職の手取り額(月収から所得税や住民税、社会保険料などを控除した後の金額)は、地域によって異なりますが、月収7割〜8割程度として計算すると、手取り月額は22万円~25万円になりました。

 
介護職(常勤)の平均月収・平均年収

平均年齢

44.7歳

平均勤続年数

8.7年

平均年収

3,810,480円

平均月収

317,540円

手取り月額

222,278円~254,032円

(厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果・p157)

色々な側面から見た年収を解説


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性別、施設形態、資格別、勤続年数など、色々な側面から年収を分析してみましたので、各項目別に紹介をします。

性別に見た年収

介護業界では男女平等が進んでいるとはいえ、全体的に見ると男性介護職の年収が若干高い傾向にあります。

男性の介護職の平均月収は334,250円で、平均月収に12をかけて単純計算すると、平均年収は4,011,000円となりました。一方、女性の介護職は平均月収308,880円、平均年収は3,706,560円です


これは、介護の職場内で男性が夜勤や重労働を伴う職務を担当することが多いことなどが要因と考えられます。

しかし、性別による差は一般的な傾向に過ぎず、個々のスキルや経験、勤務形態によって給料は大きく変わる可能性があるため、決めつけることはできません。

 
男性介護職の平均月収・平均年収

平均年齢

40.9歳

平均勤続年数

8.4年

平均年収

4,011,000円

平均月収

334,250円

 
女性介護職の平均月収・平均年収

平均年齢

46.8歳

平均勤続年数

8.9歳

平均年収

3,706,560円

平均月収

308,880円

(厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果・p163) 

施設形態に見た年収

介護業界にはさまざまな施設形態が存在し、施設ごとに給与体系が異なります。

一般的には、特別養護老人ホームや病院併設の特定の介護施設は、給与水準が比較的高く、小規模なデイサービスやグループホームでは、経済的な制約から給与が低めに設定される傾向にあると言われています。


実際のデータを見てみると、介護老人福祉施設(特養)の平均年収は4,176,480円、介護老人保健施設では4,068,480円、介護医療院は3,848,400円となり、全体の平均年収を上回っています

一方、自由な働き方が魅力の訪問介護事業所の平均年収は3,782,040円となり、全体の平均年収よりも低い結果となりました。

さらに、日勤のみの通所介護事業所(デイサービス)は最も低くて3,307,440円、通所リハビリテーション事業所は3,657,480円、近年増えている特定施設入居者生活介護事業所は3,767,040円、小規模多機能型居宅介護事業所は3,455,640円、認知症対応型共同生活介護事業所は3,492,960円、と全体の平均年収を下回る結果となりました。

 

平均年収

平均月収

全体

3,810,480円

317,540円

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

4,176,480円

348,040円

介護老人保健施設(老健)

4,068,480円

339,040円

介護医療院 

※2023年に廃止した介護療養型医療施設の転換先

3,848,400円

320,700円

訪問介護事業所

3,782,040円

315,170円

通所介護事業所(デイサービス)

3,307,440円

275,620円

通所リハビリテーション事業所

3,657,480円

304,790円

特定施設入居者生活介護事業所(有料老人ホーム、ケアハウス、養護老人ホーム)

3,767,040円

313,920円

小規模多機能型居宅介護事業所

3,455,640円

287,970円

認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)

3,492,960円

291,080円

(厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果・p157)


介護職として転職を考える際は、どの施設形態で働きたいかを考えた上で、年収の情報を収集することをおすすめします。

資格別に見た年収

資格は介護職においてキャリアアップの重要な鍵となるといわれていますが、どれくらい年収に影響があるのでしょうか。

調査したところ、介護福祉士やケアマネージャーなどの国家資格保持者の年収は、資格を持たない方に比べて1.2~1.4倍であると分かりました

資格を持つことで、より専門的な職種を通じてサービスを提供できるため、施設側も高い給与で優秀な人材を獲得しようとするのが理由です。


また、資格取得すると、資格手当がもらえるだけでなく、選択の幅が広がることで、キャリアアップの機会が得られます。

実際のデータを見てみると、介護系資格で唯一の国家資格である介護福祉士の平均年収は、3,972,960円、介護職員実務者研修は3,629,160円、介護職員初任者研修は3,602,880円です。


一方、資格を全く持っていない方の平均年収は3,224,160円で、介護福祉士と比較すると6万円以上の開きがあります。

また、介護系資格を保有する人が、さらなる上位資格として取得するケースが多い介護支援専門員(ケアマネージャー)の平均年収は最も高くて4,521,240円、介護施設などで相談業務にあたる社会福祉士は4,201,440円となっています。

 

平均年収

平均月収

介護福祉士

3,972,960円

331,080円

介護支援専門員(ケアマネージャー)

4,521,240円

376,770円

社会福祉士

4,201,440円

350,120円

介護職員実務者研修

3,629,160円

302,430円

介護職員初任者研修

3,602,880円

300,240円

保有資格なし

3,224,160円

268,680円

(厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果・p161)

勤務年数や年齢別の年収

介護職における年収は、勤務年数や年齢によっても大きく変わります。一般的に、経験が豊富で知識が深い中堅・ベテラン介護士は、より高い給与を得ることが可能です。

さらに、専門資格を保有する管理職になることで、年収が大幅に上昇し400万円を超えることも珍しくありません。

データによると、勤続年数12年目で平均年収が400万円台に突入します。年齢別にみると、男女ともに、40~49歳の年収が最も高くなります

 
勤続年数別の平均年収(全体)

勤続年数

平均年収

平均月収

1年

3,366,600円

280,550円

2年

3,465,000円

288,750円

3年

3,569,520円

297,460円

4年

3,626,160円

302,180円

5年

3,671,640円

305,970円

6年

3,664,560円

305,380円

7年

3,759,840円

313,320円

8年

3,760,080円

313,340円

9年

3,804,720円

317,060円

10年

3,875,880円

322,990円

11年

3,869,160円

322,430円

12年

4,026,840円

335,570円

13年

4,142,280円

345,190円

14年

4,035,840円

336,320円

15年

4,111,080円

342,590円

16年

4,263,480円

355,290円

17年

4,255,320円

354,610円

18年

4,384,920円

365,410円

19年

4,214,520円

351,210円

20年以上

4,459,680円

371,640円

(厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果・p139)


 年齢別の平均年収(男女別)

年齢

男性介護職

女性介護職

平均年収

平均月収

平均年収

平均月収

29歳以下

3,480,600円

290,050円

3,397,800円

283,150円

30~39歳

4,048,320円

337,360円

3,708,840円

309,070円

40~49歳

4,310,160円

359,180円

3,823,560円

318,630円

50~59歳

4,068,480円

339,040円

3,804,360円

317,030円

60歳以上

3,574,560円

279,880円

3,493,080円

291,090円

(厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果・p163)

都道府県別に見た年収

地域によっても介護士の年収は大きく異なります。東京や大阪などの大都市部では、生活費の高さを反映して給料が高めに設定されています。一方、地方では生活費が比較的低いため、それに合わせた給与設定になっていることが多いです。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」では、医療・福祉業界における都道府県別の所定給与額(時間外労働を除く)の記載があったため、所定給与額に12をかけて年収を計算しました。

その結果、トップは東京の3,956,400円で、大阪、神奈川、愛知、埼玉と続きます。最下位は長崎の2,956,800円でした。九州地方は介護職の年収が低い傾向にあります。

 
介護職の年収が高いベスト5

都道府県

年収

東 京

3,956,400円

大 阪

3,876,000円

神奈川

3,872,400円

愛 知

3,849,600円

埼 玉

3,800,400円

(厚生労働省:令和5年賃金構造基本統計調査 から抜粋)

 
介護職の年収が低いワースト5

都道府県

年収

岩 手

3,084,000円

徳 島

3,076,800円

青 森

3,046,800円

熊 本

3,013,200円

長 崎

2,956,800円

(厚生労働省:令和5年賃金構造基本統計調査 から抜粋)

未経験だとやはり年収は低い?


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未経験から介護職に転職する場合、できる仕事も限られるため、最初は比較的低い年収からスタートすることになります。

実務経験を重ねながら、介護職に必要な資格を取得することで、年収は確実にアップすることでしょう。

初任給の場合の年収

介護職の初任給の平均年収は厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」にて確認をすると、年齢ごとの勤続年数の給与が記載されていました。

給与額に12をかけて年収を算出しました。データによると、全体的な初任給の給与は262,600円なので12をかけて、年収は3,151,200円という結果になりました


年齢ごとの初任給

 

年収(所定給与×12)

月収(所定給与額)

全体

3,151,200円

262,600円

 ~19歳

2,187,600円

182,300円

20~24歳

2,732,400円

227,700円

25~29歳

3,240,000円

270,000円

30~34歳

3,577,200円

298,100円

35~39歳

3,422,400円

285,200円

40~44歳

3,228,000円

269,000円

45~49歳

3,144,000円

262,000円

50~54歳

3,088,800円

257,400円

55~59歳

3,510,000円

292,500円

60~64歳

3,320,400円

276,700円

65~69歳

4,066,8000円

338,900円

70歳~

4,641,600円

386,800円

(厚生労働省:令和5年賃金構造基本統計調査 医療・福祉分野から抜粋)

未経験から転職した場合の年収

介護業界は未経験者でもスキルを習得しやすく、資格を取得すると短期間でキャリアアップできる環境が整っています。未経験から転職した場合の年収データは見つかりませんでしたが、上記の年齢別初任給をご参照ください。

今後、介護職の年収は上がっていく?


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日本では少子高齢化が進む中で、介護職の需要は増加の一途をたどっています。

増加するニーズに対応するため、政府や自治体、民間企業は介護職の質の向上を図るため、給与水準の改善や制度の制定に乗り出しています。

実際、介護職員の待遇改善を目指した政策がすでにいくつか導入されており、効果が少しずつ現れています。

将来的には、介護職員の専門性と社会的な責任を反映した適正な報酬が設定されることが期待されますが、それには引き続き政策の推進と業界全体の努力が必要です。

年収をアップするポイント


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では、どうやって介護職が年収を上げる方法があるのでしょうか。

国家資格を取得する、給与水準の高い施設を選ぶ、福利厚生の良い施設に応募するといった方法が考えられます。

夜勤の回数を増やすと、夜勤手当や深夜割増賃金が加算され、年収は確かにアップしますが、体力に自信のある方限定の方法で、あまりおすすめできません。

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

資格を取得する

介護職において資格取得は年収に大きな差を生む要因です。介護業界では、難関の上位資格を取得すればするほど、職場での地位が向上するとともに、年収もアップする仕組みになっています

国家資格である介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネージャー)は専門的な資格であり、数ある介護・福祉系資格の中でも上位資格に該当します。

上位資格の取得には実務経験の条件があり時間と努力が必要ですが、それに見合った年収アップが期待できますので目指す価値はあります。

また、介護福祉士やケアマネージャーの国家資格を取得すると、転職する際に選択の幅が広がり、好条件な求人を見つけやすくなるメリットもあります。

給与水準が高い施設にする

介護業界内でも、給与水準が高い施設と低い施設が存在します。病院や大企業が経営する施設、公的な施設は規模も大きく給与が高めに設定されていることが多く、安定した収入を得られる可能性が高いです

転職を考える際は、応募する前にそれぞれの施設の給与水準を調査し、自身の経験やスキルに見合った適切な施設を選ぶことが大切です。

福利厚生の良い施設に応募する

給与だけでなく、福利厚生の充実度も重要な要素です。有給休暇の取得率が高く、健康診断が定期的に提供される、育児・介護支援が充実している、キャリアアップの支援手当がある、賞与支給回数が多いなど、働きやすい環境は介護職のモチベーションを保ち、長期的に安定して働くことができるため、生涯年収がアップします。

福利厚生が充実した施設は、介護職の離職率が低く、働きやすい職場のため、応募が殺到しがちです

最初からあきらめたりせずに、掲載されている求人情報からいい施設を探すことを続け、見つけたら是非応募してみてください。

まとめ

介護職の平均年収は約380万円であるといった内容を解説しましたが、国が介護職の処遇改善を後押ししていることと、ニーズの高まりによって、今後も引き続き年収増加が期待されています。

未経験で介護士に転職した場合、初任給は経験者と比べると低い水準からのスタートとなりますが、実務経験を重ねつつ、介護に必要な資格を取得することで年収アップが期待できます。

年収を上げる方法として、国家資格を取得する、給与水準の高い施設を選ぶ、福利厚生の良い施設に応募するといった方法があります。

介護職には多くのチャンスと課題がありますが、適切な情報と計画に基づいて行動することで、理想のキャリアと年収アップを実現することができるでしょう。

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