介護の転職先の選び方は何が正解?見分けるポイントと各施設の特徴を解説

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「介護職の転職をしたいけど、どんな施設が自分に合っているか分からない」と悩んでいる方は多いかもしれません。


自分に合っていない職場で働くと、不満が溜まっていく一方です。

働きやすい職場やキャリアアップを目指すことができるなど、重視している条件・希望が叶う職場を見つけることは、介護士として長く働き続けるためにも大切な要素です。


また、勤務する施設形態によっても仕事が変わってくることがあります。

今回は、自分にぴったりな介護の転職先を選ぶ方法と各施設の特徴を分かりやすく解説いたしますので、転職先に迷っている方はぜひ参考にしてください。 

転職先を見分けるポイントを把握しておくことで、理想的な職場に出会えるでしょう。


 

介護の転職先を決めるときのポイント

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自分にマッチした職場を選ぶことは、長期的に安定して働き続けるうえでも重要になります。
介護の転職先を決めるときのポイントは、「自分の働く目的と合っているか」「福利厚生や待遇に満足できるか」「会社の理念が合うか」の3つです

自分の働く目的と合っているか

あなたが介護職として働く目的はなんでしょうか?

「介護のスキルアップをしたい」「利用者一人ひとりに寄り添いたい」など、人により目的や興味・関心のあるものは異なります。

専門性の高い施設で働けば、介護の実践的なスキルが磨かれ、将来的に介護士としてキャリアアップを目指すこともできます


もちろん、求められる知識や技術も高くなるので無資格・未経験では難しい部分もあるでしょう。

利用者と時間をかけて関係を築ける環境を求めているのなら、利用者の入れ替わりが少ない特別養護老人ホームなどがあります。


「働いてみたらイメージと違った」と後悔しないよう、自分の働く目的と施設の方針が合っているかを確かめましょう。

福利厚生や待遇に満足できるか

いくらやりがいがある仕事だとしても、給与が低いと働くモチベーションに繋がりません。転職後に年収を上げたい人も多くいます。

不自由なく生活できる給与のラインを自分の中で設定しておくと、理想と現実のギャップが生じにくいでしょう


介護職員の給与額は資格の有無や実務経験の長さなどによっても変わってきます。将来、介護福祉士やケアマネジャーといった資格取得を検討している場合、資格取得の支援制度が整っているかどうかは重要です。

土日休みにならないシフト制だとしても、資格取得の支援体制が整っていればシフトの調整をしてくれる場合もあります。

また、給料には夜勤や残業の手当なども含まれます。手当の内容が充実している職場を選ぶと給料アップにつながる場合もあります。

それ以外にも、例えば託児所があるのか、有給がとりやすいかどうかや、最新のICT機器などの導入が進んでいるのか、などの福利厚生についても事前に確認しておくと安心です。

会社自体をしっかり調べ、理念が合うかチェックする

会社の理念と自分の働き方が合うか、自分が納得できる理念を掲げているかどうかをチェックしておくことは、非常に重要です。

「介護施設であればどこでも良い」といった気持ちで選んでしまうと、意欲的に働けず、長続きしないといった可能性が高くなります。


また、自分の考えている理想の介護と、施設を運営している企業が求めている介護士との差が大きいと思うように働くことができないといったことも考えられます。

価値やビジョンの差はそのまま仕事への不満や意欲の低下、ストレスとなり人間関係の悪化へつながってしまう可能性もあります


施設によりケアの方針は異なるため、応募をする前に施設のホームページ等を確認しておきましょう。

自分はどのようなサービスを提供したいのか、どのように利用者に寄り添って働きたいのかなど働く軸を明確にし、考えながら見ていくことが大切です。

施設の見学ができるのであれば以下をチェック!

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もし、応募前に施設の見学ができる場合は「利用者の姿や生活の様子」「コミュニケーションが円滑かどうか」「衛生管理が行き届いているか」を確認しましょう

自分の中で軸となるポイントを持ち、自分の目で見極めて判断できれば相性の良い職場が見つかるはず。

利用者の姿や生活の様子を見る

利用者の姿や生活の様子を見ることで、その施設がどのようなケアを提供しているかが分かります。

利用者が生き生きと生活している施設は、良い施設だと言っても過言ではありません

コミュニケーションが円滑か

介護の現場で職員同士のコミュニケーションが円滑であることは、スムーズに業務を遂行するうえで重要です。

分からないことがあったらすぐに質問できるような環境であれば、いざ働き始めた時も安心できますし、積極的に仕事を進めることもできるでしょう。

見学の際は、施設で働く職員同士がどのようなコミュニケーションを取っているかを確認しましょう

衛生管理が行き届いているか

衛生管理が行き届いていない施設は、他の業務で忙しく後回しにしている可能性があります。

トイレなどの水回りもそうですが、廊下や共有スペースになる場所も確認しましょう


また、デスク周りが整理整頓されておらず書類で溢れかえっている場合は、管理の体制がずさんである可能性もあります。

清掃・整理がきちんと行われていれば利用者にとっても居心地がよく、過ごしやすい環境になっていると同時に、スタッフの職場環境に対する意識の高さも見ることができます。

施設形態によって働き方は変わる

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施設の種類によって、働き方はさまざまです。

また、求められるスキルや向いている人も変わってきます。

例えば身体介護を1人で行うには介護職員初任者研修以上の資格が必要になります。運転免許を持っていればドライバーとして車の送迎業務も可能です。


▼関連記事

2024年から資格の取得が義務化?介護の仕事への転職ガイドとキャリア形成の秘訣について解説!


介護は夜勤の仕事も多いというイメージがあるかもしれませんが、施設によっては日勤のみで働けるケースもあります。

各施設の違いを知った上で、自分の希望とも合わせて比較し、転職先を決めるようにしましょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)は、正式には介護老人福祉施設と言い、在宅での生活が難しい要介護状態の高齢者が入居する施設です。特養は原則、要介護3以上の認定を受けている方が入所でき、24時間体制で介護職員が常駐しています。

公的な介護保険施設であり比較的安い値段で利用できるため、入居の順番待ちが発生することも珍しくありません。


特養は利用者の入れ替わりが少ないため、一人ひとりと時間をかけて信頼関係を築けるでしょう。

寝たきりや車いすの方が多いので身体介助のスキルを高めることができます。


特養にいるスタッフは、医師、看護師、介護職員、ケアマネージャー、生活相談員、機能訓練指導員、栄養士、事務員などです。

施設によっては、歯科衛生士を配置し口腔ケアに力を入れている場合もあります。


入居型の施設になるため、正社員で働く場合は夜勤対応が必須となります

時間帯によっては少人数での対応をすることになり、負担が大きく感じる場合もあります。

ただ、介護職のなかでは給与額が高い傾向にあるので、給与を重視している方は検討してみても良いでしょう。

小規模多機能

小規模多機能型居宅介護施設は、通い・訪問・宿泊の3つの機能を併せ持っています。

そのため、仕事内容の幅が広く、食事・排泄・入浴介助といった身体介護、レクリエーションなどを行うデイサービス、ホームヘルパーとして利用者の自宅へ向かう訪問介護、送迎などを行います


地域密着型サービスで、小規模な施設のためアットホームな雰囲気で利用者一人ひとりとコミュニケーションをとることができます。

幅広い業務を行う関係で、豊富な介護経験が積めますが、シフトによっては夜勤があったり、利用者や家族の都合で予定が変わったりすることもあり、臨機応変に対応する力が必要になります。


仕事内容は多岐にわたりますが、利用者の定員は1事業所当たり29人以内と比較的少ないため、利用者に寄り添った介護を行えるでしょう。

訪問介護

訪問看護は、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の家を訪問し、生活のサポートを行います。

食事や洗濯、掃除といった生活援助や身体介助などのサービスを提供します。

住み慣れた自宅での生活が可能になるように、自立支援・重度化の防止を目的としたサポートを行うのがホームヘルパーの役割になります。


ホームヘルパーは基本的に1人で決められた時間に利用者の居宅を訪問し、サービスを提供します。

1日に複数の利用者宅を訪問するため、運転免許証が必要となる場合があります。


利用者だけではなく、その家族とコミュニケーションを取りながら仕事をしていくことが特徴です。

目の前の利用者とじっくり向き合って仕事をしたい方におすすめな職場となっています。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、高齢者が心身ともに健康で安心して暮らせるよう、利用者に適したサービスを提供する施設です。

有料老人ホームは提供するサービス内容や介護の度合いによって介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3種類があり、それぞれの施設により提供するサービスは異なります。


民間企業が運営していることもあり、施設・事業者によっては、カラオケ大会やお花見、料理教室などのイベントを開催するなど、充実したサービスを提供している場合もあります

利用者は要支援1から要介護5まで幅広く受け入れているので、身体介助による負担が少なくなるかもしれません。


介護スキルを身につけたい場合は、応募する施設の特徴をしっかりと調べておくようにしましょう。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目指した医療ケアやリハビリを実施する施設です。

医師や看護師、リハビリスタッフなどと連携しながら仕事をしていくのが特徴となっています。


比較的介護度の低い方が多いため、身体介助の負担は軽減されるでしょう。


また、老健は利用者の回転率が早いため、多くの症例を担当できることが魅力です。

自分の介護スキルを向上したい方におすすめな職場となっています。

ショートステイ

ショートステイは、短期間宿泊し介護サービスを提供する施設です。

介護の対象となるのは、普段自宅で生活している方になるため、比較的身体介護の負担は低いでしょう。


利用者の入れ替わりが激しいため、多くの高齢者と関わりたい方におすすめな職場となっています。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サ高住は、サービス付き高齢者向け住宅の略称です。

高齢者が住みやすいよう、段差のない床や手すりなどバリアフリーを意識した構造・設備になっており、安否確認や生活相談などのサービスを提供します。

サ高住の利用者は、自立している高齢者がほとんどのため高い介護スキルは必要ありません


仕事内容は、身体介護よりも見守りやコミュニケーションを取ることがメインとなるでしょう。

また、運転免許がなくても働くことができるため、運転に自信のない方におすすめな職場です。


サ高住は夜間の人員配置の義務はありませんが、多くの場合は宿直または夜勤の職員を配置しています。夜勤を避けたい方にとってはデメリットとなるでしょう。

とはいえ、利用者の症状は軽い場合が多いので体力的な負担は少なくなります。

デイサービス

デイサービス(通所介護)は、日帰りで介護や機能訓練などを行う施設です。

仕事内容は、自宅で生活している高齢者の送迎、食事・入浴、機能訓練、レクリエーションの実施です。


利用者は日帰りなので基本的に夜勤は発生しませんが、ショートステイが併設されている場合は夜勤が必要になるため注意しましょう。

夜勤のない働き方を希望している場合は、日中のみサービスを提供している施設を選ぶとよいでしょう。


また、デイサービスは日曜・祝日・年末年始は休みであることが多いです。

そのため、子育て中でも正社員として働きやすい職場だと言えます。平日を休みにしたい人や仕事と家庭を両立したい人にとっては大きなメリットのある職場です。


類似した介護サービスとしてデイケア(通所リハビリテーション)がありますが、こちらは介護老人保健施設や病院などで日帰りで行う、理学療法士や作業療法士などリハビリの専門職による機能回復訓練のサービスになります。

デイサービスと同じ場所で行われている場合もあります。

グループホーム

グループホームは、認知症対応型共同生活介護とも呼ばれ、認知症の高齢者が共同生活を送る施設です。


利用者の定員は最大27人で、1ユニットの人数は9人以下となっています。

主に、食事・入浴・排泄のサポートや健康管理、夜間の見守りなどを行います


グループホームで働くことで、認知症ケアのスキルが身につくでしょう。

転職先の探し方

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最後に、転職先の探し方をご紹介します。

ハローワークを活用する

ハローワークは、厚生労働省が運営している総合的雇用サービス機関です。

無料で利用可能で、ハローワークにのみ求人を出している施設の情報を取得することができます

HPや他の求人サイトを見る

施設のホームページや、求人サイトから転職先を探すことができます。

特に求人サイトは希望条件を選び、入力することでより自分の希望に合う求人や自宅近くの施設・職場の求人を探すことができます

自宅にいながら求人検索ができるのがメリットです。

施設のホームページには会社情報や経営理念のほか、介護スタッフのブログや介護業界に関する知識、コラムなど様々な情報が得られるので、複数の施設を比べて応募先を絞り込むのに役立つでしょう。

知人から紹介してもらう

すでに介護施設で働いている知人がいれば、求人サイトに掲載される前に転職活動ができるかもしれません。

知人からの紹介であれば、施設の雰囲気や働くメリットを詳細に聞くことができるでしょう。

エージェント活用も視野に入れる

転職エージェントを活用することで、プロの視点から自分の条件に合う転職先を紹介してもらえます。

専任のアドバイザーから求人の評判や業界の知識を教えてもらうといったサポートを受けることで、今まで考えていなかった分野や求人に出会い、やってみたいと思える仕事が見つかる可能性もあります。

転職活動を一人で行うことに不安がある場合は、エージェント活用も視野に入れましょう。

 

まとめ

 


この記事では介護職の転職先の選び方とそれぞれの施設の特徴について説明しました。

「思ったよりも働きづらい」「自分の介護観と合わない」といった失敗を避けるためにも、必ず転職の目的を明確にしておきましょう

転職先を選ぶときのポイントは大きく3つあり、働く目的に合っているか、福利厚生や待遇に満足できるか、経営理念や運営方針が合うかどうか。これらが自分に合っていれば転職先でも成功し、活躍できる可能性が高まります。


また、介護施設と一口に言っても施設形態はさまざまで、同時に働き方も変わっていきます。

転職を失敗しないためにも、事前に施設の見学ができる場合は、入居している高齢者の状況、スタッフ同士のコミュニケーション、衛生管理が行き届いているかなど実際の様子を確認してみましょう。


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