更新日:2024/03/24

訪問看護師の給料は安い?病棟看護師との比較、メリットデメリット、働きやすい職場選びの秘訣について解説

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30代女性の中には転職を考える際、仕事と家庭のバランスを重視し、訪問看護師という働き方に関心を持つ人が増えています。

家庭と仕事をうまく両立させたい、でも給料についても妥協はしたくない、そんな正直な気持ちを持つ方も多いはず。

特に「病棟看護師と比べると収入はどうなるの?」「夜勤がなくなると収入も減ってしまうのでは?」との疑問を解決することが、転職成功の鍵といえます。

この記事では、訪問看護師の給料、仕事内容、メリットとデメリット、職場選びのポイントについて解説します。訪問看護師への転職を検討している方で給料について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

訪問看護師の給料って、どのくらい?

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訪問看護師の給料は地域や事業所などによって給与体系が違いますが、通説として病棟看護師よりも収入が低いといわれています。

これを裏付ける資料として、日本看護協会が2011年に発表した調査があります。


31~32歳・経験年数10年の看護師を想定して給料を試算したところ、病院勤務の看護師と比べると、訪問看護師(訪問看護ステーション)の1カ月の平均給与は税込総額で約4万円、年収で約62万円、年間賞与で約13万円も低い結果になりました。

しかし、その後、給料体系の見直しが進み、1か月の平均給与の差は2011年の調査時と比べて2万円程度までに縮まってきているのです。


では、実際のところ訪問看護師の給料は高いと言えるのでしょうか。

病院で働く看護師、介護施設で働く看護師の二つと比較しやすいよう、一覧にまとめました。

看護師の平均月収

訪問看護師

36万7,775円

病院勤務の看護師

38万6,046円

介護施設勤務の看護師

34万6,236円


上の表からも分かるように、訪問看護師の平均月収は病院勤務の看護師よりも2万円ほど低くなっています。一方で介護施設勤務の看護師と比較すると約2万円高いことが分かります。


参考:日本看護協会「訪問看護の伸び悩みに関するデータ」

参考:日本看護協会「2021年 看護職員実態調査」

常勤の訪問看護師の場合

常勤で働く訪問看護師の年収は、500万円~600万円程度が一般的といわれています。

厚労省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(p6)」によると、訪問看護で働く看護師の月収は44万368円~46万3,927円となっています。

しかし、これはあくまで全国平均の数値であり、地域や訪問看護ステーションの運営体系、さらには個人のスキルや経験によって変動します。


地域的にみると、関東・関西の都市部は給料が高く、中国・九州は低い傾向にあります。また、事業所の規模が大きくなればなるほど、給料は高くなるようです。

転職する際、たとえば、医療法人が運営する訪問看護ステーションのように、規模が大きく経営が安定している事業所を選ぶと高収入が期待できるかもしれません。

また、訪問看護ステーションの数は都市部を中心に増加しており、優秀な人材の争奪戦も予想されることから、訪問看護師の給料はさらに高くなることが期待されます。

そして50代以降になり、ステーションの管理者を務めるようになると平均の月収・年収が上がる可能性があります。

非常勤の訪問看護師の場合

非常勤(パートタイム)の訪問看護師の報酬は、時給で支払われることが多く、時給1,900円~2,500円程度が相場といわれています。

厚労省「令和5年度介護事業経営実態調査結果(p6)」によると、36万9,186円~39万3,566円で、週5日・1日8時間勤務(月160時間)で時給換算すると、約2,300円~2,460円となり、ほぼ同水準となりました。


首都圏では3,000円という高給の事業所もある一方、地方都市では、2,000円前後と差があります。パートの報酬は、勤務時間や訪問件数に応じて収入が変動するため、柔軟な働き方を求める方、家庭との両立を図りながら働きたい方に適しています。

各種手当について

訪問看護師は原則として夜勤がないため、夜勤手当はありません。

しかし、オンコール手当、時間外緊急訪問手当、夜間や休日の訪問手当などがあり、基本給に上乗せされる形となっています。


オンコール手当とは、緊急連絡に備えて自宅待機する手当です。

24時間体制の事業所で常勤として働く場合には、月4∼8回程度のオンコール当番があります。専用の携帯電話で相談を受けるのですが、連絡がないこともあります。

オンコールを受けて直接訪問する場合には、時間外の緊急訪問手当がもらえます。オンコール手当の相場は1回あたり1,000〜3,000円、時間外緊急訪問手当は1回あたり5,000円~10,000円が相場です。


また、認定看護師・専門看護師・ケアマネジャーなどの特別な職能に対する手当、資格手当などもあり、これらの手当が収入を大きく左右することもあります。

各種手当の内容は勤務先によって異なるため、金額や支給される条件を事前に確認しておくことも重要です。

訪問看護師は地域に関わる他職種との連携をスムーズに行うための中心的な存在となることが期待され、訪問看護の需要は高まってきています。それに伴い、訪問看護師の年収・給料も上昇傾向にあります。

訪問看護師の仕事内容とは?

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訪問看護師は、利用者の自宅を訪問し、医師の指示書をもとに医療行為を行います。

病院勤務とは異なり、医療処置から日常生活の支援、家族との相談やアドバイスまで、あらゆる業務を一人で行う必要があります。

業務内容はどのようなもの?

訪問看護師の業務は多岐にわたり、利用者一人ひとりのニーズに合わせた看護を提供します。

主な業務内容には、健康状態のモニタリング、必要な医療処置の実施、薬の管理や指導、リハビリテーションのサポート、認知症ケア、ターミナルケアなどがあります。

また、利用者や家族とのコミュニケーションを通じて、精神的なサポートを行うことも重要な役割です。訪問看護師は、医師や他の医療スタッフと連携を取りながら、利用者が自宅で安心して過ごせるよう支援します。

訪問看護師として働くメリット

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では、実際に訪問看護師として働く上でどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、業務内容を踏まえたメリットを4つご紹介します。

自宅近くで働ける

訪問看護師として働く最大のメリットの一つは、自宅の近くで仕事ができることです。

通勤時間が削減され、家族との時間をより多く確保できます。

人間関係のストレス軽減

訪問看護師は、利用者の自宅や入居施設で医療ケアを行います。

病院やクリニックでの勤務と比べると、職場の人間関係に起因するストレスが比較的少ないのが特徴です。

直接的なやりがい

訪問看護は、利用者一人ひとりと密接に向き合い看護を行います。

利用者や家族から直接感謝の言葉をいただくことも多く、自分の仕事が人々の生活にプラスの影響を与えていることを実感できます。

融通が利く働き方ができる

施設によっては直行直帰など、融通が利く働き方ができるのも魅力です。

土日休みの事業所も多く、週末の予定が立てやすく、家族との時間を大切にできます。

訪問看護師として働くデメリット

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つづいて、訪問看護師として働く上でのデメリットを3つご紹介します。

オンコール当番がある

24時間体制の事業所では、月に数回オンコール当番があります。

電話相談が中心ですが、突発的な出勤要請で休日や夜間でも呼び出されることがあります

移動が大変

利用者の自宅を一日に数件訪問するため、移動に伴う体力的な負担が大きいです。

自転車で移動する人も多いのですが、夏の炎天下での移動は大変です。

責任が重い

一人で業務にあたるのが基本のため、その場で判断を迫られる場面もあります。

責任の重さにプレッシャーを感じる人もいたのですが、最近では、チャットで指示を仰ぐなど、フォロー体制を整えている事業所が多く、精神的な負担は軽減されつつあります。

職場選びのポイント

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訪問看護師への転職を検討している方への職場を選ぶ際に、以下のポイントを確認しておきましょう。

働く地域

通勤時間や勤務地の安全性など、自宅からのアクセスのしやすさと勤務地の環境は、働く上で重要な要素です。

オンコール対応

オンコール対応は、家庭との両立に大きな影響を与えます。

オンコール担当日は自宅で普段通りの生活を送ることはできますが、電話がかかってきたら対応しなくてはなりません。

実際にどの程度の頻度で起こるのかなど、事前に確認しておくことが重要です。

歩合制

事業所によっては、基本給に加えて訪問件数に応じた業績給(歩合制)を採用しているところもあります。

訪れた件数が多いほど、給料が高くなる仕組みですが、自分が希望する働き方や収入に合っているかを事前に検討してみてください。

まとめ


訪問看護師としての転職は、新たなキャリアパスを開く大きなチャンスですが、職種特有の課題も存在します。

給料や手当、仕事内容、そして働く上でのメリットとデメリットを総合的に理解し、自分に合った職場選びをすることが、成功への鍵です。

この記事があなたの訪問看護師としての転職活動に役立つ情報を提供し、サポートすることを願っています。


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