更新日:2024/05/08

面接で介護施設の転職理由や、退職時の理由を聞かれたときの対処は?嘘をつくことの弊害とリスクを解説

転職

職場

介護



転職先の面接で、転職理由や退職時の理由を聞かれると「本当のことを言っていいのか分からない」「印象を良くするために嘘をついてもいいのかな?」と悩んでしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、面接で介護施設の転職理由や、退職時の理由を聞かれたときの対処法を解説します。

また、嘘をつくことの弊害とリスクについてもお伝えしますので、面接時にぜひ参考にしてみてください。

退職理由や転職理由を尋ねる目的



そもそも、なぜ面接時には退職理由や転職理由を質問されるのでしょうか?

これらを尋ねる目的は、大きく分けて3つあります。


・自社に合う人材か確認するため

・長く働いてくれる人材か確認するため

・志望意欲や熱意を知るため


1つずつ見ていきましょう。

自社に合う人材か確認するため

退職理由や転職理由を尋ねる目的1つ目は、「自社に合う人材か確認するため」です。

介護職の採用担当者は、「他のスタッフと上手くコミュニケーションを取れるか」「自社の雰囲気と合っているか」などを確認しています


介護職は、介護サービスを活用する利用者やスタッフなど多くの人と関わりを持ちます。

そのため、介護業界では人の気持ちを考えられて、適切なコミュニケーションを取れる人材が求められます。

転職・退職理由として、「人間関係が上手くいかなかった」「自分の性格と仕事内容が合っていなかった」と答えると、自己中心的な人間だと思われてしまうかもしれません。

長く働いてくれる人材か確認するため

退職理由や転職理由を尋ねる目的2つ目は、「長く働いてくれる人材か確認するため」です。

採用担当者は、短期間でやめられるよりも長く働いてくれる人材を求めています。


みなさんは、1人の介護職員にかかる採用コストをご存知でしょうか?採用コストとは、その名の通り「採用活動においてかかるコスト」のことです。

人材採用は、募集→応募受付→説明会・見学会→選考→結果通知・承諾→入職準備→入職の手順で行われます。この工程でかかったコストの全てが、採用コストに含まれます。


気になる1人あたりの採用コストですが、正社員の場合は30万円~50万円前後かかると言われています

このように、1人を採用するためには莫大な費用がかかっているため、面接時には採用担当者が安心できるような返答を心がけましょう。

志望意欲や熱意を知るため

退職理由や転職理由を尋ねる目的3つ目は、「志望意欲や熱意を知るため」です。

応募者が、前職を退職した具体的な理由を聞くことで、どのような状況下で最も活躍できるかを判断しています


この際、退職理由が前向きな動機に基づいているかどうかも採用する判断材料になります。

また、応募者の将来の目標やキャリアプランと退職理由が、どのように関連しているかを分析することで、その人が何に対して熱意を持って働けるかを評価しています。

面接で退職理由を伝えるときのポイント


kaigo-jobchange-lie_image03


ここからは、面接で退職理由を伝えるときのポイントをお伝えします。

どれくらいなら伝えていいのか、と悩むかもしれませんが以下の3点をしっかりと押さえましょう。


・培ってきたスキルを活かせるイメージを伝える

・なるべくポジティブな理由に言い換える

・嘘の退職理由はバレる


1つずつ見ていきましょう。

培ってきたスキルを活かせるイメージを伝える

面接で退職理由を伝えるときのポイント1つ目は、「培ってきたスキルを活かせるイメージを伝える」です。

前職で培ってきたスキルを、転職先でどのように活かせるかを具体例とともに説明しましょう。

なるべくポジティブな理由に言い換える


kaigo-jobchange-lie_image04


面接で退職理由を伝えるときのポイント2つ目は、「なるべくポジティブな理由に言い換える」です。

採用担当者は、退職理由をポジティブに語れるかどうかを見ることで、応募者が困難な状況に直面したときの対処能力を判断しています


また、ネガティブな理由ではなくポジティブな理由を伝えることで、採用担当者に好印象を与えるのでおすすめです。

ここからは、介護職の退職理由をポジティブに言い換える方法を7つ紹介します。

①給与や待遇面での不満の場合

給与や待遇面で満足いかないことがあったことをそのまま伝えると、採用担当者にマイナスな印象を与えてしまいます。

そのため、「自分のスキルや経験をより評価してもらえる環境で、専門性を高めたい」と熱意を伝えるようにしましょう。

具体的な例文は以下の通りです。

「前職で多くを学び、貴重な経験を積むことができましたが、自分の能力に見合った機会を追求するために、新しい職場を探しています。

私は、自分のスキルや経験をより評価してもらえる環境で、専門性を高めていきたいと考えています。」

②労働条件への不満の場合

労働条件への不満があり辞めた場合は、「仕事とプライベートを充実させながら、介護業界では長期的な視点の中で活躍していきたい」と言い換えましょう。

具体的な例文は以下の通りです。

「私は、仕事とプライベートを充実させながら、長期的な視点をもって介護業界で活躍したいと考えています。

前職で得た経験に感謝し、それを活かして新しい機会に挑戦していきたいです。」

ちなみに、一般的に悪い労働条件だと言われるものは以下の通りです。


・残業代が出ない

・休日や有給休暇が取れない

・人員不足でシフトが回らない

・法定基準を超えて長時間労働をしている

・いじめやハラスメントがある

③人間関係への不満の場合

人間関係に不満があり退職した場合は、「さまざまなチームでの経験を積み、多くの人と協力していくことで、より幅広い視野を持って働きたい」と言い換えましょう。

具体的な例文は以下の通りです。

「私は、さまざまなチームでの経験を積み、多くの人と協力していくことで、より幅広い視野を持って働くことを望んでいます。

互いに学び合うことで、より幅広い視野を持って仕事に取り組みたいと思います。」

ちなみに、求人票に「アットホームな環境」であることを前面に押し出している施設は、ブラックな職場の可能性があります。

スタッフ同士の人間関係や職場の雰囲気を確認するためには、応募前に見学することをおすすめします。

④業務内容への不満の場合

業務内容への不満を持って退職した方の場合は、「自分の得意分野を掘り下げ、専門的な知識とスキルを活かせる職場で働きたい」と表現できます。

具体的な例文は以下の通りです。

「私は、自分の得意分野を掘り下げ、専門的な知識とスキルを活かせる職場で働きたいと考えています。

これまでの経験をもとに、新しい分野に挑戦したいと思っています。」

さらに、前の職場にどのような問題があり、どのような対策を取ろうとしたかを併せて伝えることで印象がアップするでしょう。

⑤体力的・精神的な負担が大きい場合

休憩を取れずに長時間労働していると、体力的な疲労だけではなく、ストレスや集中力の低下を引き起こす可能性があります。

また、騒音が多い、照明が不十分、温度が不快など、職場環境が不適切な場合も体力的、精神的な負担となるでしょう。


このように体力的・精神的な負担が退職理由の場合は、「自身の健康を維持しながら、質の高いケアを提供できる環境で働きたい」と言い換えることがおすすめです。

具体的な例文は以下の通りです。

「私は、自身の健康を維持しながら、質の高いケアを提供できる環境で働きたいと考えています。

サポートが充実した職場で自分の能力を最大限に発揮できるよう努めていきます。」

⑥会社の経営方針や理念への不満の場合

会社の経営方針や理念への不満が退職理由の場合は、「自分の信じている介護理念に沿って、専門性を追求し、より質の高いケアを提供していきたい」と表現できます。

具体的な例文は以下の通りです。

「私は新しいチャレンジを求めており、自分の信じている介護理念に沿って、専門性を追求し、より質の高いケアを提供していきたいと考えています。

前職で多くを学び、成長できましたが、さらなる成長と自己実現のために、新たな道を歩む決断をしました。」

このように表現すると、前職に対する不満を直接的に述べるのではなく、自己成長とキャリアアップを目指す前向きな姿勢を強調できます。

⑦ライフスタイルの変化の場合

家庭の事情などでライフスタイルが変化した場合は、「新たな生活環境や家庭の状況に合せて、柔軟に働ける職場で介護の仕事を続けていきたい」と言い換えましょう。

具体的な例文は以下の通りです。

「私のライフスタイルが変わり、新しいバランスを求めています。

今までの経験を活かしつつ、新たな生活環境や家庭の状況に合せて、柔軟に働ける職場で介護の仕事を続けていきたいという希望があります。

この変化は、私にとって新たな成長の機会を提供してくれるものだと確信しています。」

このように表現すると、個人の生活の変化を受け入れ、それに合わせてキャリアの方向性を調整するという前向きな姿勢を示せるでしょう。

嘘の退職理由はバレる

面接で退職理由を伝えるときのポイント3つ目は、「嘘の退職理由はバレる」です。

「親の介護や看病」や「自身の体調不良」など、嘘の退職理由を話すことはおすすめしません。


採用担当者はプロのため、話しているうちに嘘だということがバレてしまうでしょう

万が一、嘘がバレるとネガティブな印象を抱かれてしまうため、嘘ではなく前述したポジティブな言い換えを活用してみてください。

退職理由で嘘をつくことのリスク


kaigo-jobchange-lie_image02


ここからは、退職理由で嘘をつくことのリスクを2つお伝えします。


・精神的な負担を感じやすい

・書類の嘘は採用取り消しにも


それでは詳しく見ていきましょう。

精神的な負担を感じやすい

退職理由で嘘をつくことのリスク1つ目は、「精神的な負担を感じやすい」です。

一度嘘をつくと、それを隠し続ける必要があります。

嘘が発覚し他人からの評価が下がることを恐れながら生活するため、精神的なストレスや悩みを感じやすいでしょう


また、自分自身が嘘をついたことによって、だれにも相談できず自己評価が下がり自尊心に影響を与えることもあります。

退職理由だけではなく、嘘をつくこと自体がストレスに繋がるため、余計な嘘はつかないようにしましょう。

書類の嘘は採用取り消しにも

退職理由で嘘をつくことのリスク2つ目は、「書類の嘘は採用取り消しにもなる」です。

職務経歴書や学歴で嘘の情報を記載すると、最悪の場合、採用取り消しになるかもしれません

また、履歴書に転職回数を少なく記載すると「経歴詐称」にあたるため、嘘はつかずに本当のことを書くようにしましょう。

円満退職のために注意するポイント


kaigo-jobchange-lie_image01


最後に、円満退職のために注意するポイントを2つお伝えします。


・周りに退職することを言わない

・退職願より退職届を出す


1つずつ解説していきます。

周りに退職することを言わない

円満退職のために注意するポイント1つ目は、「周りに退職することを言わない」です。

退職の意向は個人的な決定であり、その話を広めることで不適切な噂や憶測を生む可能性があります。プライバシーを守ることで、余計なトラブルを避けられるでしょう。


また、退職の噂が広がると、職場内での不安定感や動揺を招き、チームの士気に影響を及ぼすかもしれません。退職するという情報を控えることで、職場の秩序を維持できます。

さらに、早期に退職を公表すると、上司や同僚から引き止めに合ってなかなかやめられないといったことが起き、感情的な衝突が生じることがあります。

円満退社するためには、準備をして適切なタイミングで話すことが重要です。

退職願より退職届を出す

円満退職のために注意するポイント2つ目は、「退職願より退職届を出す」です。

みなさんは、退職願と退職届の違いをご存知でしょうか?退職願とは、勤務先に対して退職を願い出るための書類であり、却下される可能性があります。


また、一般的には、退職願は書面ではなく口頭でも問題ないとされています。

一方、退職届とは勤務先に「退職します」と自分の退職を通告するための書類です。退職届が認められると退職となり、一度提出すると基本的に拒否されません

万が一、退職届が受理されない場合は、内容証明郵便を利用し強制的に提出することもできます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、面接で介護施設の転職理由や、退職時の理由を聞かれたときの対処法と、嘘をつくことの弊害とリスクをお伝えしました。


ネガティブに捉えられる転職・退職理由は、ポジティブに言い換えることで採用担当者にあなた自身の魅力を伝えられるでしょう。

この記事を参考にして、転職活動を成功させられることを願っています。

この記事の著者

派遣のキャリアマルシェ_編集部

介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。

おすすめ記事

介護職に求められる言葉遣いとは?基本のチェックリストと接遇マナーを合わせて解説

派遣のキャリアマルシェ_編集部

「介護職員処遇改善加算」とは?取得の条件や給与明細での手当金額について解説

派遣のキャリアマルシェ_編集部

介護施設には転職前に見学すべき?施設見学の目的やメリット、服装やマナーなどのチェックポイントを解説

派遣のキャリアマルシェ_編集部

介護士の給料相場は?施設形態・地域・資格別の平均年収や給与アップの方法を解説

派遣のキャリアマルシェ_編集部

関連記事

更新日:2024/05/15

介護施設には転職前に見学すべき?施設見学の目的やメリット、服装やマナーなどのチェックポイントを解説

派遣のキャリアマルシェ_編集部

更新日:2024/05/10

介護職員の人間関係の悩みはなに?改善方法やいい環境への転職方法を解説

更新日:2024/05/09

介護施設にもホワイト企業がある?業界の状況や転職時に参考になる優良企業の特徴を解説

派遣のキャリアマルシェ_編集部

更新日:2024/05/08

面接で介護施設の転職理由や、退職時の理由を聞かれたときの対処は?嘘をつくことの弊害とリスクを解説

派遣のキャリアマルシェ_編集部

更新日:2024/05/07

介護士転職で外せない条件は?理想の職場に出会い後悔しないための成功ポイントを解説!

派遣のキャリアマルシェ_編集部

更新日:2024/04/30

介護士の転職に有利な資格は?介護福祉士を取得するメリットや、就職を成功させるコツを紹介

派遣のキャリアマルシェ_編集部

更新日:2024/04/29

介護士の転職相談先はどこがある?おすすめのエージェントや転職のコツをご紹介

更新日:2024/05/17

介護職に求められる言葉遣いとは?基本のチェックリストと接遇マナーを合わせて解説

更新日:2024/05/16

「介護職員処遇改善加算」とは?取得の条件や給与明細での手当金額について解説

更新日:2024/05/15

介護施設には転職前に見学すべき?施設見学の目的やメリット、服装やマナーなどのチェックポイントを解説

更新日:2024/05/14

介護士の給料相場は?施設形態・地域・資格別の平均年収や給与アップの方法を解説

更新日:2024/05/10

介護職員の人間関係の悩みはなに?改善方法やいい環境への転職方法を解説

更新日:2024/05/09

介護施設にもホワイト企業がある?業界の状況や転職時に参考になる優良企業の特徴を解説

更新日:2024/05/08

面接で介護施設の転職理由や、退職時の理由を聞かれたときの対処は?嘘をつくことの弊害とリスクを解説

更新日:2024/05/07

介護士転職で外せない条件は?理想の職場に出会い後悔しないための成功ポイントを解説!

更新日:2024/04/30

介護士の転職に有利な資格は?介護福祉士を取得するメリットや、就職を成功させるコツを紹介

更新日:2024/04/29

介護士の転職相談先はどこがある?おすすめのエージェントや転職のコツをご紹介

人気記事ランキング

よく読まれているタグ

公式SNSアカウント

Instagram

Twitter

Facebook

関連サイト

スタッフ満足度
90%超!

あなたの希望にぴったりな
介護のお仕事がみつかる!

無料登録はこちらから