転職
投稿日:2024/04/30
更新日:2024/04/30
介護士の転職に有利な資格は?介護福祉士を取得するメリットや、就職を成功させるコツを紹介
目次
介護業界へ転職する際、介護系の専門資格の取得は重要な役割を果たします。特に未経験の方が介護職に進む場合、事前に取得した介護系の資格は熱意と能力を示す証となり、転職活動を大きく後押ししてくれます。
資格取得は転職だけでなく、キャリアパスを広げるための重要なステップにもなります。そのため、この記事では介護職への転職を成功させるために役立つ資格、一つの目標としたい介護福祉士の資格取得をすることのメリットやその理由を紹介します。
転職成功の秘訣も解説してありますので、ぜひ参考にしてください。
転職時に介護の資格があると有利
介護系の資格が転職に与える影響は計り知れません。未経験から介護業界へ入るにあたり、資格を持っていると就職先からの評価がよくなり、有利に働きます。
また、資格取得は転職市場での競争力を高め、より良い条件での転職を実現するための鍵となります。介護系の資格は転職だけでなく、ご家族の介護に役立ち、長期的なキャリア形成においても非常に重要です。
資格を取っておくと有利になるワケ
介護業界において資格は、個人の能力とやる気を示すだけでなく、介護施設や事業所に対してもさまざまな恩恵をもたらします。有利になる具体的な理由と詳細をまとめました。
キャリアアップに役立つ
介護系の資格は、介護の専門知識とスキルを証明するもので、全国どこに行っても通用します。資格を持っていることで、高度な職務を担うことが期待され、キャリアアップに役立つため、昇進や管理職への道が比較的早く開かれることになります。
例えば、介護福祉士の資格を持っていると、ケアマネージャーや施設長などの上位職に就くチャンスが広がります。また、資格を持つことにより、専門的なトレーニングや研修に参加する機会が増え、さらなるスキルアップが期待できます。
施設から評価されやすい
資格を持っていると、施設からの評価も高くなります。施設内での信頼性が増し、より良いポジションやプロジェクトへの参加を進められるようになります。
資格を持つ介護士は、専門知識とスキルがあると見なされるため、特に重要なケースや難しいケアが必要な場合に優先的に選ばれることがあります。施設から評価されることで、給料アップも期待できます。
また、資格を持っていることで、同僚や後輩だけでなく、上司からの尊敬も得やすく、職場での人間関係がスムーズになることも考えられます。
良い待遇の求人が見つかりやすい
資格を持っていると、選択の幅が広がり、給与面や労働条件の良い求人を見つけやすくなります。どの施設も資格保持者を欲しがっていて、好条件で優遇する傾向にあるため、施設から『選ばれる』のではなく、求職者が行きたい職場を『選ぶ』立場に立つことができます。
さらに、資格手当が支給されることで、経済的な利益も享受できるようになります。多くの施設では、介護福祉士の資格を持つ介護スタッフに対して特別手当を付与しているため、資格が給料に直接的に反映されることは大きなメリットです。
施設や事業所は、介護の質向上を目指して介護福祉士の育成に力を入れていますが、人材を一から育てるより、資格保持者が入職してくれる方がより簡単に達成できるため、好条件を呈示しているのが実情です。
どんな資格がいい?
介護業界への転職を検討している方にとって、事前にどの資格を取得するかは転職を有利に進める上で非常に重要です。
特に未経験から介護職に進む場合、基礎からしっかりと学べる資格や、専門性を深めることができる資格がキャリア形成に役立ちます。代表的な2種類の資格について概要をまとめました。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修(以下、初任者研修)は、介護の基本的な知識と技術を学ぶための入門的な資格です。
この資格は、介護業界に足を踏み入れるための最初のステップとして設計されており、未経験者が業界で働くための基礎知識とスキルを提供します。
入職した後から取得することもできますが、転職を有利にするために、事前に取得することをおすすめします。研修内容は、以下のようなものが含まれます。
・基本的な介護技術:食事・入浴・排泄の支援方法 ・コミュニケーションスキル:利用者やその家族との効果的なコミュニケーション方法 ・緊急時の対応:事故や急病時の対処法 ・倫理観の育成:介護職としての倫理観を養う |
---|
初任者研修のカリキュラムは130時間で、実技講習が含まれます。修了試験が行われ、合格すると初任者研修の資格を取得できます。
受講内容を確認する試験で、無料で再試験を受けることができ、ほぼ100%の確率で合格できます。受講に要する時間は、2~4カ月程度となっています。
この資格は、介護施設だけでなく、在宅介護サービスを提供する事業所でも求められています。
介護福祉士
介護福祉士は、介護系資格における唯一の国家資格で、社会的評価が高く、資格保持者は施設や事業所で中心的な役割を担っています。
公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」によると、介護福祉士として登録している人の総数は、2024年3月末時点で1,941,748人となっています。※公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」
介護施設の多くは、介護福祉士の資格取得を積極的に後押ししていることもあって、人数は増加傾向にあります。
この資格を持つことで、介護のスペシャリストとしての地位が確立され、介護福祉士は介護系資格の上位に位置する資格なので、資格取得を目標とすることは非常に良い選択です。
介護福祉士の資格を取得すると、新たなキャリア形成ができるのも魅力の一つです。次のステップとして、以下のようなものがあります。
・ケアマネージャー(介護支援専門員) ・サービス提供責任者(通称:サ責) ・施設長 |
---|
ケアマネージャーはケアプランを作成し、要介護者と施設・事業所の架け橋となる調整役です。ケアマネージャーの試験は各都道府県が認定する公的資格で、ケアマネージャーとして働くためには試験に合格し、資格を取得する必要があります。受験するには介護福祉士の資格を持ち、5年以上の実務経験が必要です。
サービス提供責任者は、訪問介護事業におけるホームヘルパーのまとめ役で、施設長は介護施設を管理・運営する管理責任者です。
介護福祉士の難易度や取得ルート
介護福祉士は、価値のある専門性を反映して、一定の難易度が伴いますが、計画を立ててしっかり勉強し試験を受けることで、1回の受験で合格できる試験と言えます。
2024年1月(筆記試験)と3月(実技試験)が行われた第36回介護福祉士国家試験の合格率は82.8%(受験者74,595 人、合格者61,747 人)と多い状況でした。
介護福祉士の資格を取得するルートとして、専門学校や大学での教育プログラムを修了するルート、未経験から介護現場での実務経験を経て取得するルートなどが存在しますが、9割近くが受験資格として実務経験を経て取得しています。(実務経験がある場合、教育プログラムを終了するルートは免除可能)
実際、第36回介護福祉士国家試験をみると、受験者のうち約86%の人が介護施設や事業者などで働きながら受験し、うち約82%が合格していました。
未経験から介護福祉士になるには3~5年ぐらい必要です。3年以上の実務経験を経て、介護福祉士実務者研修の資格を取得することで、介護福祉士国家試験を受験する要件を満たすことになります。
その後、国家資格に合格し、登録することで介護福祉士として働くことができます。国家試験に合格するには、広範な知識の習得と実践能力の両方が求められます。
教育プログラムで勉強を進めるのが一般的で、実務経験を積んだ上で、十分な準備を行えば、難関を乗り越えることは十分に可能です。
介護福祉士を取得するメリット
介護福祉士は数ある国家資格の中では難易度は低いものの、介護系の資格の中では難関資格に分類され、合格するには、ある程度の時間と労力が必要です。
しかし、頑張った分だけ、報われる試験で、より多くの利益を享受できる可能性を秘めています。介護福祉士の資格を取得するメリットを、以下に詳しく解説します。
介護のプロとして働ける
専門的な知識と技術を持つ介護福祉士は、介護のプロフェッショナルとして認められるため、より高度なケアを提供することができます。
具体的には、複雑な健康状態を持つ利用者への対応や、多職種と連携したケアを行うなど、高度なスキルと知識を持った少数のスタッフしか行えない専門的な業務を担当することが可能です。
また、介護現場以外でも、関連した仕事として養成講座や福祉系高校などの講師になれることも特徴です。
手当の金額が増える
さらに、介護福祉士は資格手当が支給されることが一般的であり、給与が向上するという経済的な利点もあります。
介護福祉士の資格手当は、介護業務の重要性と専門性を認め、スキルに対する報酬として提供されるものです。介護福祉士の資格手当は職場によって異なりますが、一般的に5千円~2万円が相場となっています。
また、処遇改善加算の対象になる資格になりますので、応募できる求人の種類が多く給料にも満足できる職場を探すのが楽になるでしょう。
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士の平均年収は3,972,960円です。無資格の方の平均年収3,224,160円と比べると、6万円以上の額の開きがあります。
介護ケアの質が向上する
介護福祉士の資格と持つと、提供する介護ケアの質が向上します。高度な知識と技術を有する介護福祉士は、利用者に適切な介護を行い、生活の質の向上に直接貢献することができます。
利用者の満足が施設全体の満足につながるため、介護福祉士がいることで、施設の信頼性も高まります。
解雇されづらく将来性がある
専門職としての需要が高いため、介護福祉士は職を失うリスクが低く、安定したキャリアを築くことが可能です。
高齢化社会が進む中で、介護職の需要はさらに増加すると予測されており、介護福祉士としての将来性は非常に高いと言えます。
また、資格保持者でない人に比べこれからのリーダーとしても抜擢されやすく、指導者としての立ち位置になりやすいとも言えます。
資格を活かせる施設一覧
介護福祉士の資格を活かせる施設として、以下のようなものがあります。
・特別養護老人ホーム:24時間体制で高齢者の介護を行う施設で、介護福祉士は多岐にわたるケアを提供する責任を担います。 ・訪問介護サービス:利用者の自宅を訪問し、生活支援や身体介護を行います。基本的には1人でケアを提供するため、高いコミュニケーション能力と柔軟な対応が求められます。 ・デイサービスセンター:日帰りで利用する高齢者に対して、リハビリテーションやレクリエーションを提供します。レクリエーションを企画・運営するなど、集団でのアクティビティ管理能力が重要です。 ・病院内の介護部門:病院内で、幅広い層の患者に向けて日常生活をサポートします。医療と介護の両方の知識が求められ、連携能力が求められます。 |
---|
転職成功のポイント
介護業界への転職を検討している際、成功させるためには何をしたらいいですか?と質問がよくありますが、研修制度の充実、福利厚生や労働環境などを詳細な情報を事前に調べておきましょう。
これらの要素は、職場での長期的なキャリアと日々の仕事の満足度に直接結びついています。求人票に書かれている内容を精査し、施設や事業所を実際に訪れて職場環境を確かめてください。
研修制度が充実しているか
研修制度が充実している職場は、新入職員がスキルアップを図りやすく、新しい環境への適応もスムーズに行えます。
良質な研修プログラムは、最新の介護技術や理論を学ぶ機会を提供し、実務に直結する実践的な知識を身につけることができます。
また、介護職は研修によってそれぞれのキャリアで必要とされる能力を磨き続けることができ、専門性を高められます。
研修制度の充実は、新技術の導入が頻繁に行われる介護業界において、介護職が常に業界標準に適応し続けるために欠かせません。
福利厚生や環境が整っているか
複利厚生が充実しており、働きやすい環境が整備されていることは、長期的な働きやすさとモチベーションの維持につながります。
福利厚生が整っている職場は、健康保険、年金、有給休暇、育児や介護休暇などを確実に提供し、介護職のプライベートと仕事のバランスを保ちます。
快適な職場環境は、日々のストレスを減少させ、仕事の効率を向上させることができます。普段の業務量がとても多かったり、夜勤の回数が多かったりすると体にも負担がかかってしまい資格をとることすらままならなくなってしまいます。
介護職が心身ともに健康であることは、介護の質を向上させるためにも重要であり、自身の職場満足度とともに、利用者の満足度も高まります。
まとめ
介護業界への転職を考える際、介護の専門資格を取得すれば新たな道を切り開く鍵となるでしょう。
入職してからでも資格取得はできますが、転職をスムーズに進めるため、そして介護への熱意を示す手段として、介護職員初任者研修の資格を取得することをおすすめします。
さらに、介護系で唯一の国家資格である介護福祉士を長期的な目標として目指すと、新たなキャリアを形成する可能性が開かれます。
自分のスキルとキャリアを積極的に管理し、今後転職が成功した際、より活躍できるよう行動していきましょう。
この記事の著者
派遣のキャリアマルシェ_編集部
介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。
おすすめ記事
関連記事
介護派遣のお仕事に関する
お問い合わせ・ご相談もお気軽に
静岡・関東を中心に介護派遣を専門に行うLASHIC-careerのコーディネーターが丁寧にご相談にのります。介護派遣に関すること、介護の転職に関することなどなんでもお問い合わせください!
お問い合わせフォーム